Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 昌弘 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門光情報技術グループ, グループリーダー (50183869)
川西 哲也 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門光情報技術グループ, 主任研究員 (40359063)
中島 啓幾 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80287979)
西川 憲次 京セミ株式会社, 光デバイス事業推進本部, マネージャー
宮川 俊成 京セミ株式会社, 光デバイス事業推進本部, 部長
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Research Abstract |
本研究は,ファイバ無線システムやセンサー応用に期待されるミリ波・光変換器として,アンテナ付き共振型光変調器アレイを提案している.この実現には,小型でアレイ化が容易,かつ単位長さ当たりの変調効率が高い共振型光変調器の低電圧動作が必須である.今年度は,10GHz帯で動作する共振型光変調器の実現と,数個のアレイ化により変調効率向上の原理実証を行った. 電極構造として,スタブ型とキャパシタンス型と呼ぶ2種類のインピーダンス調整構造をもつ変調器について検討した.両構造共に,等価回路モデルを用いて変調電極上の電圧分布を求め,LiNbO_3中を伝搬する光の位相変化量を見積もった.設計指針として位相変化量が最大となる変調電極長,スタブ電極長,静電容量を求め,最適電極構造とした.有限要素法を用いた設計構造の3次元解析からも,設計周波数付近において電気共振による電圧反射率の低下が確認できており,また製作したデバイスの共振周波数ともよい一致が見られることから,共振電極構造の設計手法を確立したといえる. キャパシタンス構造では,構成する誘電体の膜厚により共振周波数を変化させられることを確認した.またスタブ型においても,集束イオンビームによる部分的なエッチングや金属堆積により共振周波数を制御することができ,変調器の評価結果をすぐにプロセスにフィードバックし,任意の設計周波数での動作も容易となった.さらに,光変調器に対するRF信号線路と光ファイバの実装技術を確立することにより,4素子の直列アレイ共振型光変調器を実現した.個々の変調器の半波長電圧は数10Vと未だ高いが,電極構造の最適化やRF実装部の改善によりさらなる低電圧化が期待される.またアレイ化により,理論通りアレイ数に反比例して半波長電圧が低くなることを確認し,アレイ構造による変調効率向上を実証した.
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