2006 Fiscal Year Annual Research Report
光CDMAを用いた次世代アクセスネットワーク用多重伝送技術の研究
Project/Area Number |
16360188
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
大柴 小枝子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (90372599)
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Keywords | 光符号分割多重 / 光通信 / 光アクセスネットワーク |
Research Abstract |
一芯の光ファイバに複数のユーザの信号を束ねる多元接続技術として,光符号分割多元接続(Optical Code Division Multiple Access ; OCDMA)方式がある。この方式はユーザごとに割り当てられた固有の拡散符号を用いることにより,波長・時間帯を共用し,非同期に多元接続を図る方式である。この方式には,符号化に強度変調方式を用いるインコヒーレント時間拡散方式と,2相位相変調方式を用いるコヒーレント時間拡散方式があり,コヒーレント時間拡散OCDMAは,直交性のある符号を用いると,高い閾値が得られる点で優れている。しかしながらコヒーレント時間拡散OCDMAでは,多重数を増加させると,拡散符号間の相互相関に起因して生じる多元接続干渉(Multiple Access Interference ; MAI)だけでなく,同一波長の光信号を合波することで発生する光ビート雑音(Optical Beat Interference)により,ビット誤り率特性が劣化する。 そこで、まず、OCDM伝送系におけるMAIと光ビート雑音の影響を減少させることが可能な直交符号パターンを、シミュレーションにより求めた。さらに、実際にSuper Structured Fiber Bragg Grating (SSFBG)を用いたを用いて位相符号器を試作し、100Mbpsで100多重以上の多重が可能となることを検証した。また、多重度は、ビットレートに依存し、1.25Gbpsで10多重、625Mbpsで16多重以上まで、BER=10^<-11>の誤り率を確保できることを実験的に確認した。 光領域で逆拡散されて受光した電気信号には他のコードで拡散された大きな信号が雑音として存在している。この雑音信号はディジタル信号に変換する前に極力少なくしておくことが望ましい。そこで、入力信号の大きい場合には増幅し、小さい信号に対しては減衰する非線形増幅器(閾値増幅器)を開発して用いる検討を行った。その結果、非線形増幅器とピーク検出回路を用いて、MAI雑音を除去する雑音除去回路を設計・試作し、誤り率を4桁向上させることを実験確認した。
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Research Products
(6 results)