2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハーフメタル強磁性粉体のPMR効果を利用した新型磁気センサ素子の開発
Project/Area Number |
16360200
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角田 匡清 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80250702)
|
Keywords | 二酸化クロム / ハーフメタル / トンネル磁気抵抗効果 / PMR効果 / コールドプレス / メカニカルアロイング |
Research Abstract |
CrO_2はほぼ100%の分極率を有するハーフメタルであることが理論的にも実験的にも明らかにされており、磁気トンネル接合素子の強磁性層など、スピンエレクトロニクス素子への応用が期待されている。特にCrO_2粉末をコールドプレスした成型体では、PMR(PowderMagnetoResistance)効果と呼ばれる磁気抵抗変化が確認されており、CrO_2粉末表面に自発的に形成されるCr_2O_3層がトンネルバリア層として機能するために生じる強磁性粒子間のスピン依存トンネル伝導がそのメカニズムと考えられている。CrO_2のPMR効果を実センサとして応用するための最大の課題は、CrO_2のキュリー点が約400Kと低いことであり、これを上昇させることが、センサの室温動作に不可欠の要素である。 CrO_2粉末の作製にはCrO_3を高圧酸素雰囲気下で熱分解する方法が一般的に用いられているが、研究代表者らのグループでは、より簡便な固相反応を利用したメカニカルアロイング法による合成に成功している。本年度は、CrO_2のキュリー点ならびにPMR効果に及ぼす元素添加効果を明らかにするために、メカニカルアロイング法によって(Cr-M)O_2粉末の合成を行い、その基礎物性評価を行った。その結果、CrO_2への元素添加はPMR効果に影響を及ぼし、V(バナジウム)を添加した場合はMR比が低下し、Fe(鉄)を添加した場合はMR比が増大することを見出した。特に、Feを5at%添加した場合においては、何も添加しない場合に比べて約3倍のMR比が得られ、4.2Kにおいては22%に及ぶMR比が得られた。また、センサの製造工程ならびに環境耐性を明らかにする目的で調べたCrO_2のPMR効果の熱処理温度に対する耐熱性は、約360℃と比較的高いことが判った。
|
Research Products
(1 results)