2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤巻 朗 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20183931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真澄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00203258)
赤池 宏之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20273287)
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Keywords | A / D変換器 / 単一磁束量子回路 / ジョセフソン接合 / 超伝導 |
Research Abstract |
電流計測システムの基本となるのは、電流入力のアナログ-デジタル変換器(ADC)である。今年度は、超伝導単一磁束量子(SFQ)回路をもとにしたADCの高度化(高信号雑音比(SNR)、高感度化)とその実証実験を進めた。SFQ回路の特徴は、その高速性とともに量子化現象を利用していることにあり、ADCに応用した場合、広帯域かつ高精度なものが期待できる。しかしながら、高いSNRを得るために通常用いられる方法は、数十GHzという高速性から回路構成が難しく、結果的に高速性を生かした性能改善は難しい状況であった。そこで、通常は同時に行われる量子化と標本化というA/D変換の処理を分離し、量子化器のあとにサンプリングする時間をずらした標本化器を複数設置することで、等価的にサンプリング速度を向上、SNR、感度などの改善を図った。等価的な(オーバー)サンプリング周波数は100GHzを超え、数値解析ではアナログ入力帯域幅100MHzで12ビットの高性能性を確認した。さらに、感度向上を求めて、ADCの改善を進め、2つのADCが相補的に働く新しい変換方式を考案、現在はその解析と実証を進めている。実際にNbをベースとしたSFQ回路によってADCを試作したところ、原理どおり正しく動作していることが確認された。性能については実効的なSNRが現時点で9ビット程度と必ずしも十分な値に至っていない。これは、入力信号として使用した発信器の信号純度が低いために起こっていることがすでに分かっており、本質的な問題ではない。現在その改善に取り組んでいるところである。今後は、出力部の広帯域化を図ることで目標とする高感度広帯域デジタル電流計測システムを構築する予定である。
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Research Products
(1 results)