2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能ブリユアン光散乱法による薄膜の弾性分布測定法の開発
Project/Area Number |
16360209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松川 真美 同志社大学, 工学部, 助教授 (60288602)
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Keywords | ブリユアン光散乱 / 弾性分布 / 薄膜 / 顕微光学系 / 超高周波音速 / 縦波 / 横波 |
Research Abstract |
平成16年度は下記の研究を行い、良好な成果を得た。 1.光学系の整備 平成15年度に別予算で購入したラマン光散乱用顕微光学システムを、本研究のブリユアン光散乱用に転用するため、ブリユアン用タンデム干渉計システムへの接続光学系の設計及び改造を行った。その結果、これまで径50μmであった測定対象領域を、10μmまで絞込むことができ、より局所的測定が可能となった。また、顕微光学システム内で、測定サンプル位置を工夫し、RiθA散乱配置が適用可能となった。これらの結果を利用して、薄膜の高周波縦波及び横波音速の同時測定が可能な測定系を完成した。 2.顕微集光による試料の損傷に関する検討 上記で完成した測定系を使用して、多結晶ZnO薄膜の高周波縦波・横波音速の同時測定を試みた。その結果、比較的結晶配向性と透明度の高い薄膜(厚さ5-10μm)では、2時間以上の連続測定においても、音速測定値の変化がみられず、表面の光学顕微観察においても、集光による試料表面の損傷は観測されなかった。結晶配向性のよくない試料は透明性にも劣っていたが、測定の結果、1時間程度で1%程度の有意の音速低下が観測された。しかし、測定後の試料表面に損傷は無く、時間が経過した後に再測定を行うと、低下前の初期音速と同じ結果が得られた。このような多結晶薄膜では、試料の透明度と熱伝導度に応じて、集光レーザ熱の影響による試料弾性の低下が生じる可能性がある。今後は各測定試料に応じた最適な集光径と測定条件を検討したのち、音速測定を行う必要がある。なお、バルク高分子材料(PMMA)の測定も試みたが、透明度の高い場合は、高分子材料の測定でも2時間以上の連続測定が可能であった。
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Research Products
(5 results)