2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360224
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 一彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20272677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 学歩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50334545)
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
|
Keywords | 震災対策 / 耐震設計 / 耐震補強 / 逆L字型橋脚 / 耐震補強 / コンクリート構造物 / 地震応答解析 / 兵庫県南部地震 |
Research Abstract |
1995年兵庫県南部地震では、都市高速道路に激甚な被害が生じ、地震後の避難だけでなく、震災復旧、食料品・医薬品等、市民が必要とする物資輸送に致命的な影響を与えた。交通施設に対しては、現在までに各種の対策が施されてきているが、現在、まだ研究が進んでいない損傷形態として、偏心曲げを受ける橋脚のせん断破壊がある。本研究は、偏心曲げを受けるRC橋脚の残留変位の蓄積を含む損傷メカニズムとこれに基づく耐震解析法を明らかにすると同時に、現在までに建設された多数の偏心曲げモーメントを受ける橋脚の耐震補強法を提案することを目的に実施しているものである。 本年度は、8体の模型橋脚(有効高さ1350mm、断面寸法400mmx400mm)に対する繰り返し載荷実験とハイブリッド載荷実験に基づいて、偏心曲げを受ける橋脚の残留変位の発生過程とそのメカニズムを検討すると同時に、現在耐震補強法として最も一般的な鋼板巻立補強の他に、偏心圧縮側に補強のためのRC断面を設置する補強法(圧縮側RC補強)、圧縮側RC補強に加えて、偏心引っ張り側にプレストレスを導入する補強法(圧縮側RC+PC補強)を考案し、これらの効果を検討した。圧縮側RC補強法および圧縮側RC+PC補強法は、偏心曲げを受ける橋脚の残留変位の発生メカニズムに対する検討から、残留変位を低減する目的で提案した方法である。 この結果、従来、一般に用いられている鋼板巻立法では橋脚に生じる損傷は緩和できても、残留変位を抑制する効果はないこと、圧縮側RC補強も鋼板巻立法より優れているが、残留変位の抑制効果はまだ不十分であること、圧縮側RC+PC補強はじん性や曲げ耐力の確保だけでなく、残留変位を防止するために有効であることを明らかにした。この他、ファイバー要素解析により、補強効果に貢献する各種要因の分析を行った。
|
Research Products
(6 results)