2005 Fiscal Year Annual Research Report
地盤材料の変形の局所化挙動における圧縮帯とせん断帯の解明と圧縮・破壊挙動の予測
Project/Area Number |
16360238
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡 二三生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10111923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八嶋 厚 岐阜大学, 工学部, 教授 (90144394)
大谷 順 熊本大学, 工学部, 教授 (30203821)
小高 猛司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00252271)
木元 小百合 京都大学, 工学研究科, 助手 (70362457)
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Keywords | 圧縮帯 / ひずみの局所化 / 三軸圧縮試験 / 構成式 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究の目的はこれまでほとんど注目されていない砂,粘土および軟岩等の地盤材料における圧縮変形の局所化形成である圧縮帯を解明するとともに,せん断変形の局所化としてのせん断帯の形成との相互作用の研究を行い地盤材料の変形の局所化問題を総合的に解決することであった.実地盤での圧縮帯の発生は想定外の地盤沈下の原因と成りうる上,周囲と比べて間隙が小さくなるため透水性が低下し,流体の流れを妨げる障害となり得る.供試体レベルでの圧縮帯の発生を観察するため,高拘束圧下における多孔性砂岩の排水三軸圧縮試験を行った.特に珪藻泥岩を用いて種々の応力経路の排水試験を行い,せん断中に排水量が急増する応力状態を調べることにより,珪藻泥岩の初期降伏曲面の形状を得ることに成功した.曲面の内部では比較的ひずみの発生が小さく,得られた初期降伏曲面はcap型の降伏曲面に相当するといえる.本研究で用いた珪藻泥岩はせん断過程における応力経路の違いによって分岐挙動の違いが見られた.すなわち,応力経路が初期降伏曲面のcapの部分と交差する場合は,せん断変形よりも圧縮変形が卓越し,圧縮帯が発生した.また,特定の応力状態でせん断帯と圧縮帯が同時に発生する遷移領域が認められた.X線CTによる画像解析結果より,一次元的な圧縮変形を示した高拘束圧のケースにおいて供試体上下端部で特に強い圧縮傾向が確認された.また,解析的研究では破壊応力線近傍のみならず,圧縮変形が卓越する場合にもひずみ軟化を示す構成モデルを取り入れた有限要素解析を行うことにより,一次元圧縮変形において排水面近くにひずみが集中する圧縮帯を再現することができた.以上,本研究では実験および解析的考察により,応力経路によって,ひずみの局所化挙動の傾向が異なることを示し,分岐挙動のメカニズムについて解明した.今後の展開として供試体側面のひずみの観察手法の充実および精度の向上,さらに構成式の改良と境界条件を検証した数値シミュレーションが挙げられる.
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Research Products
(6 results)