2004 Fiscal Year Annual Research Report
地図情報の提示形態に着目した都市街路における場の定位に関する研究
Project/Area Number |
16360251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
窪田 陽一 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50134333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深堀 清隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70292646)
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Keywords | 場の定位 / 方向定位 / 街路景観 |
Research Abstract |
本研究は位置感覚が掴みやすくわかりやすい都市とは、どのような空間構造を有しているのかを解明することを目的としている。初年度においては街路空間の中でも交差点における交差道路の見え方に着目し、その地図上の形態と景観映像(透視形態)の関係を分析した。場の定位に関しては、歩行者が街路の透視形態から地図的形態を正確に把握できるかどうかが重要と考えたためである。研究の実施にあたっては、(1)街路景観映像提示による交差点形状の認知実験、(2)透視形態映像における交差道路の形状分析、(3)透視形態映像に対する歩行者の注視点挙動解析を実施した。(1)についてはまず交差点形状の把握を、交差道路の角度認知の正確さを指標として分析した。この正確さに寄与する要因には、道路の接続形態要因と透視形態要因の2種類、8要因を設定したが、接続形態要因については交差道路の実際の交差角度が支配的であり、道路のエッジライン長(透視形態)などが補助的な要因として影響していることが確認できた。(2)透視形態に関しては交差道路の「見かけ上」の角度に着目し、地図上の交差角度と見かけ上の交差角度のギャップが、回答角度の誤差と相関関係を有していることを確認した。すなわち交差道路の景観映像が地図的な空間把握に影響を及ぼしていることが確認されたことになる。(3)について歩行者の注視点挙動を観測したところ、交差道路の角度認知を行っている際、主として交差道路のエッジライン上に沿って注視点が移動していることが確認された。透視形態における道路エッジラインの要因効果を支持するものと考えられる。現在、次年度に向けて、地図的形態認知に影響を及ぼす要因として街路沿道建物等の形態特性について分析する準備を進めている。また方向定位の計測においては動画による評価を実施するためのシステムを準備している。
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Research Products
(1 results)