Research Abstract |
自転車歩行者道路等における、特に、自転車、歩行者、車いすの路面振動に対する選好特性の違いに着目して、空間利用ルール遵守を向上させる効果をもった舗装パターンを開発することを目的としている。このため平成16年度はゴム製のハンプ形状の舗装デバイスを作成し,自転車および車イスの体感評価実験を行って,自転車が高速になるほど不快を感じ,かつ車イスにはなるべく不快を与えない形状,設置間隔を求めた. 1)自転車に不快な周波数域の振動となり、速度が1/3〜1/5程度となる車いすでは不快に感じない形状のデバイスを開発した.自転車速度が秒速3〜5m(時速11km〜18km)のとき2〜6Hzの振動は波長で0.5〜2.5mとなるが,長さ1m以上のデバイスは施工性からみて問題があるため,台形断面のデバイスを等間隔に設置して,上記の振動を擬似的に発生させることにし,高さを1cm,底面長を30cm,50cmの2種類の台形形状を硬質ゴムで作成した. 2)大学内道路約20メートル区間にデバイスを設置し,男3女2の学生5名に自転車,車いす,徒歩で往復走行させて体感評価を行った.自転車は高速(20km/h),通常(13km/h),低速(7km/h)の3種,車いすは3km/hとした. 3)速度の高い自転車には不快で,速度が下がるほどに評価が上がり,車いすでは自転車より評点が高くなるデバイスが理想として分析した結果,50cm幅のハンプを50cm間隔,1m間隔とした場合に良好な傾向が見られ,どちらも車いすの評価は時速7kmの自転車での評価と同等,もしくは多少悪くなっている程度であった.施工性で優れる幅50cmのハンプを100cm間隔で設置するパターンが望ましいことが明らかになった. 4)以上は大学生健常者による体感評価のため,身障者の車イスによる走行時の評価や,高齢者の評価実験を実施して,検証を行う予定である.
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