2005 Fiscal Year Annual Research Report
一般街路網における歩行者経路選択行動モデルの構築と歩行者空間計画への適用
Project/Area Number |
16360258
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
塚口 博司 立命館大学, 理工学部, 教授 (80127258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 克弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70222809)
李 燕 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 講師 (30281504)
里見 潤 立命館大学, 理工学部, 教授 (50205986)
小川 圭一 立命館大学, 理工学部, 講師 (50303508)
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Keywords | 歩行者 / 経路選択行動分析 / 経路選択モデル / 空間的定位 / 歩行環境 / 身体エネルギー消費 / 歩行者ITS / 車イス利用者 |
Research Abstract |
本研究は、街路網の形態にかかわらず、すべての街路網形態に適用可能な歩行者経路選択行動基本モデルの構築を最大の目的として実施したものである。歩行者の経路選択行動に関しては、従来からかなりの研究蓄積があるが、いずれも当該研究が対象とした地区(多くは一区のみを対象)では有効であっても多地区に適用することが困難な選択モデルに留まっていたと考えられる。その理由は種々考えられる、歩行環境等の地区による固有性の高い要因に拘りすぎたのではないかと考えるに至った。 そこで、本研究ではこのような状況を打開するために、「空間的定位」、すなわち歩行者が目的地の方向へ近付いていく「目的地指向性」、ならびに、できるだけ現在の進行方向を維持する「方向保持性」によって歩行者の経路選択行動の概略が説明できるのではないかという点に着目した。このような立場から、地域移転性が高いと思われる経路選択行動基本モデルの構築を試み、おおむねこの目的を達成できた。 もっとも、研究代表者らは歩行環境等の地区に固有の要因が歩行者の経路選択行動に影響することを認識している。そこで、次に、上記の考え方をベースとし、これに歩行環境指標を加えて経路選択行動分析を行い、歩行環境を考慮した経路選択行動モデルを提案した。これらのモデルは、基本的に地区個別モデルとなるから、地区における事例分析を積重ねなければならないが、おおむね良好なモデルを提案することができた。また、歩行環境の良否によって身体エネルギー消費に差が生じるのではないかという視点から歩行環境についても検討するとともに、車イス利用者の立場からも歩行環境を評価した。ただし、これらについては現状では歩行環境の分析に留まっており、歩行者の経路選択行動分析には至っていない。 続いて、上記の基本モデルの歩行者空間計画への適用について論じた。まず基本モデルを用いた歩行者流動状況の推定について示し、次に本モデルを歩行者に対する経路案内に適用する際の有効性について、携帯端末を用いた実験によって検証した。なお、本研究では複数の代替可能な経路が存在することを前提として論じているが、街路網形態とODの位置によっては単一の経路しか存在しない場合もあり、単一の経路しか存在しないときには、当該経路が非常に重要となる場合がある、そこで、最後に、単一経路しか存在しない場合の街路網特性についても分析した。
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Research Products
(3 results)