2005 Fiscal Year Annual Research Report
ごみ埋立地における焼却灰中有機物と重金属のインタラクションに関する研究
Project/Area Number |
16360265
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島岡 隆行 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80202109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久場 隆弘 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60284527)
宮脇 健太郎 明星大学, 理工学部, 助教授 (00289521)
宮島 徹 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40128103)
大迫 政浩 (独)国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・室長 (00260266)
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Keywords | 埋立焼却残渣 / 焼却残渣 / 有機物 / 腐植物質 / フミン酸 / フルボ酸 / 溶出特性 |
Research Abstract |
廃棄物埋立地においての有害物質は、有機物の微生物分解によって生成した難分解性有機物である腐植物質(フルボ酸、フミン酸、フミン)と、錯体を形成して移動していることが知られている。本研究は、腐植物質の抽出を行うことにより焼却残渣主体の廃棄物埋立地における腐植物質の生成を確認し(200〜1,100mg-C/kg-試料)、その溶出特性(pHの影響なし)を明らかにした。また、埋立地から排出される浸出水中の腐植物質の分布を調べた結果、埋立終了後15年間経過した生ごみ主体の埋立地浸出水中の腐植物質は18mg/lであり、現在も埋立てが進行中の焼却残渣主体の埋立地浸出水中の腐植物質は1〜3mg/lであった。その存在形態については、フルボ酸は溶液中に多く存在していたのに対して、フミン酸はSS中に多く含まれていたことから、フミン酸より低分子であるフルボ酸がフミン酸に比べて溶液中に移動しやすいこと、フミン酸の場合は移動しにくいことが明らかとなった。また、抽出された腐植物質の化学的、分光学的性質を明らかにするため、FT-IR分析を行い、フルボ酸においてカルボキシル基由来のC=0結合の強いピークを検出した。CP-MAS ^<13>C NMR分析により、焼却残渣由来の腐植物質については焼却残渣特有のスペクトルを検出し、破砕不燃物、生ごみ主体の埋立地浸出水中の腐植物質とはスペクトルが異なることを確認した。さらに、電位差滴定実験によるフルボ酸の見掛け酸解離平衡定数(pK_<app>)を算出した結果、フルボ酸の高分子電解質としての性質を明らかにした。最後に、得られた知見を元に、埋立地における腐植物質の環境的機能を考慮した埋立地の早期安定化方法などを提案した。
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Research Products
(5 results)