2006 Fiscal Year Annual Research Report
重金属微量汚染の検出・浄化を同時に達成する複合工学技術の開発
Project/Area Number |
16360267
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 寛治 東北学院大学, 工学部, 教授 (90382655)
芳生 秀光 摂南大学, 薬学部, 教授 (80101294)
清野 正子 北里大学, 薬学部, 講師 (30239842)
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Keywords | 低濃度重金属汚染 / 検出・浄化 / 重金属バイオセンサー / 遺伝子組換え酵母 / ppk遺伝子 / 遺伝子組換え植物 / Vam3遺伝子 |
Research Abstract |
将来の環境問題として、微量かつ広範囲な重金属微量汚染が重要になると考えられる。本研究においては、重金属汚染の検出・浄化を同時に達成する複合工学技術を開発することを目的として、細菌に重金属トランスポーター活性および重金属の存在によって発現が誘導されるレポータ遺伝子を導入することによって高感度な重金属検出システムを開発した。また、酵母を用いてトランスポーター遺伝子を導入する方法の違いによる重金属の細胞内蓄積の局在性を明らかにする研究を行った。さらに、植物に水銀トランスポーター遺伝子とppk遺伝子によりコードされるポリリン酸生合成能を付与することによって重金属を蓄積する植物の分子育種を行った。 細菌を用いた重金属バイオセンサー(merR-o/p-merT-merB-gfpを持つ)の高感度化を行った結果、無機水銀では1000pM、有機水銀では500pMまで水銀を測定可能であり、また、それぞれの検出限界は1x10^<-8>gおよび5x10^<-8>gであり、本バイオセンサーの高感度化にmer7遺伝子が大きく寄与した。本センサーは特殊な機器を必要とせず、水銀汚染現場への適用できると考えられた。 植物を用いた研究では、ppk遺伝子組換え植物にさらにmer7遺伝子によりコードされる水銀輸送活性を付与した新規な水銀浄化植物を開発した。この組換え株はppk遺伝子のみを組換えた植物株に比べて高い水銀蓄積能を示したことから、重金属トランスポーター遺伝子のmer7遺伝子が植物の水銀取り込みに寄与できることが示唆された 酵母を用いた研究では、細菌由来の重金属トランスポーター→brCをシンタキシンファミリーのVam3pとの融合タンパク質として発現させたところ、MerC-Vam3pが解毒器官である液泡膜に局在することが知られたとともに、水銀毒性をわずかではあるが軽減するかたちで水銀蓄債量を上昇させることが示唆された。
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Research Products
(6 results)