Research Abstract |
1 本研究ではメタン菌以外の微生物,特に硫酸塩還元菌に注目し,低温環境下での硫酸塩還元菌による有機物分解能の評価をおこない,硫酸塩還元菌の低温排水への適用可能性を検討した。また,UASB型反応器とスポンジ型散水ろ床を組み合わせた実験装置を用いて,低温人工排水の連続処理実験を行った。その結果,UASB型反応器とスポンジ型散水ろ床を組み合わせた本システムは,有機性の低温排水に対して,優れた有機物除去特性を示した。 2 UASB槽内温度10±1℃,HRT 12±1hr,全BOD濃度290mg/L,硫酸塩濃度88±8mgS/Lの条件下で最終処理水は,全BOD濃度20±10mg/L,溶解性BOD濃度12±8mg/Lまで処理できた。 3 バイアル回分試験により,実験温度5℃の低温条件で活性を評価した。その結果,硫酸塩還元菌は,酢酸,H_2/CO_2,酪酸,プロピオン酸,乳酸基質に対して有機物分解能を維持していた。このことから,硫酸塩還元菌が低温排水の有機物分解に寄与することが示された。 4 流量の変動に対するシステムの安定性を評価するため流量を低下させるショックロード実験を行った。その結果,本システムは水量を1/2に下げる変動にたいして,Total CODcr濃度45±8mg/Lと安定した処理を維持できた。
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