2004 Fiscal Year Annual Research Report
不活性微粒子と化学混和剤の併用による収縮ひび割れ防止法の開発
Project/Area Number |
16360271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
名和 豊春 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30292056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出雲 健司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10312381)
湯浅 昇 日本大学, 生産工学部, 助教授 (00230607)
桂 修 北海道立北方建築総合研究所, 生産技術部・科長(研究職)
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Keywords | 乾燥収縮 / 自己収縮 / 収縮低減剤 / 無機微粉末 / 相対湿度 / 水和反応率 / 力学的性質 |
Research Abstract |
本研究は、不活性微粒子と化学混和剤(収縮低減剤)を併用することによりセメント硬化体の収縮を飛躍的に抑制し、新しい鉄筋コンクリート象の収縮ひび割れ防止対策を開発することである。本年度は初年度であり、収縮低減剤の開発および内部相対湿度やセメント系材料の水和反応率などの解析手法の開発を中心に研究開発を行った。現在までに得られている結果は以下の通りである。 (1)水和反応が低いフライアッシュや石灰微粉末は水和生成物のゲル中に微粒子が長期にわたり残存し、収縮を低減すると推論された。特に、石灰石微粉末は収縮低減剤と併用すると大きな自己収縮低減効果を示すことを明らかにすることができた。しかし、全ての無機微粉末が同じ効果をもたらさないことも同時に確認され、両者の間に相互作用が生じているものと推論された。 (2)セメントろ過液中での表面張力が同じとなる各種ポリマーの自己・乾燥収縮低減効果について検討を行い、ポリマーの収縮低減効果は表面張力の低下のみでは説明できず、むしろポリマー中の疎水性の相違が大きく影響することを明らかにした。 (3)全X線回折パターンを用いたRietvelt法をセメント系材料の水和反応率の測定に適用し、内部標準物質を用いて、結晶質水和物だけでなく非晶質なCSH水和物も定量的に測定できる解析手法を確立した。また、非晶質分を有するフライアッシュなどが混在した系においても、選択溶解法との併用で、各要素成分の水和反応率を定量化できる解析手法を確立した。 (4)内部相対湿度を測定する手法として、市販の高分子センサおよび試作セラミックスセンサを用いた3種類の方法で検討し、試作したセラミックス湿度センサのみが相対湿度80%以上の高湿度領域まで測定できることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)