2006 Fiscal Year Annual Research Report
不活性微粒子と化学混和剤の併用による収縮ひび割れ防止法の開発
Project/Area Number |
16360271
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
名和 豊春 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (30292056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出雲 健司 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (10312381)
湯浅 昇 日本大学, 生産工学部, 助教授 (00230607)
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Keywords | 乾燥収縮 / 自己収縮 / 収縮低減剤 / 拘束リング試験 / 石膏 / 拘束ひび割れ試験 / 高炉セメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、不活性微粒子と化学混和剤を併用することによりセメント硬化体の収縮が飛躍的に抑制されることを証明し、不活性微粒子及び化学混和剤を用いる新しい鉄筋コンクリートの収縮ひび割れ防止戦略を開発することである。本年度で得られた研究成果をまとめると以下のようになる。 (1)昨年までに開発した新規の化学構造を有する収縮低減剤の自己・乾燥収縮低減効果について、従来の普通セメントモルタルだけでなく、高炉セメントB種モルタルでも確認した。さらに、普通セメントコンクリートでも検討を行い、試作した収縮低減剤は従来の収縮低減剤より少ない添加量で同等の乾燥収縮低減効果を示すことを実証した。なお、新規の収縮低減剤は混練直後からセメント粒子に吸着するため、表面張力の低減は生じないことを明らかにし、自己収縮および乾燥収縮の低減メカニズムとして吸着高分子による立体反発力などの影響があることを示した。 (2)設計基準強度60〜150N/mm2の高強度コンクリートを対象に,高流動性,粘性低減性および収縮低減性能を兼ね備えた一液型のハイブリッド混和剤(HSP)を開発しその諸性質を調べた。その結果,HSPは良好な流動性および粘性低減性能を示すと共に,従来の高性能減水剤に比較して約21〜44%の優れた自己収縮低減効果を示し,広範囲な高強度コンクリートに対する簡便で有効な収縮低減対策であることを示した。 (3)収縮によるひび割れ発生条件について、リング型拘束収縮ひび割れ試験および一軸型拘束収縮ひび割れ試験を用いて評価をした。その結果、セメント種類および乾燥開始材齢はひび割れ発生時の収縮応力/引張強度比を変化させ、高炉セメントより普通セメントの方が、また乾燥開始材齢が長い方が収縮応力/引張強度比は低減した。また、収縮低減剤の添加は同じ収縮応力収縮応力/引張強度比でもひび割れの発生を抑制し、ひび割れ発生日数を増大させることを確認した。
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Research Products
(6 results)