2004 Fiscal Year Annual Research Report
200N/mm^2級超高強度コンクリートによる新しい建築空間の創造に関する研究
Project/Area Number |
16360278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅野 俊介 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10325144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 秀夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40159497)
椛山 健二 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10284168)
福山 洋 (独)建築研究所, 構造研究グループ, 上席研究員 (60344008)
下山 善秀 太平洋セメント(株), 中央研究所, 研究企画部長
木村 秀樹 (株)竹中工務店, 技術研究所, 主任研究員
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Keywords | 繊維補強コンクリート / 柱・梁接合部 / 復元力特性 / 鉄筋コンクリート構造 / せん断強度 / 曲げ強度 / せん断変形 / 超高層建築 |
Research Abstract |
本研究は、建築分野ではまだ実用化されていない200N/mm^2級繊維補強超高強度コンクリートを鉄筋コンクリートと組合せた新しい鉄筋コンクリート構造を開発し、これまでの建築物に比べさらなる超高層化、大スパン化を図ることにより、新しい建築空間を創造することを目的とする。強風や大地震などの厳しい外力下におけるこの種の建築物の挙動が未解明なため、実験によって建物を構成する部材や架構の構造性能を明らかにし、それらの結果をまとめて設計・施工指針を作成し実用化を図る。 本年度は、すべての柱とはりが標記の高強度繊維補強コンクリートよりなる建築物を想定し、その一部を切り出した部分架構(柱・はり接合部)に着目して、地震力(水平力)下における構造性能(復元力特性)を確認する試験を行った。試験体は実物の1/3規模で4体あり、実験変数は鋼繊維の混入量(容積比で2%および0%)とはり主筋の柱・はり接合部内における定着長さ(はりの主筋径の14倍および17倍)とした。いずれの試験体も、はりの曲げ破壊と柱・はり接合部のせん断破壊が共に起こるように設計した。既往の評価式がどの程度新しい鉄筋コンクリート構造に適用できるかを確認することも実験目的の一つである。 実験の結果、1)いずれの試験体も設計通りはりが曲げ破壊し柱・はり接合部がせん断破壊すること、2)繊維無混入の場合はりの曲げ耐力、柱・はり接合部のせん断耐力は既往の評価式を拡張して適用することにより推定できること、3)鋼繊維を混入することによりはりの曲げ耐力、柱・はり接合部のせん断耐力ともに大幅に増大すること、さらに、4)鋼繊維の混入により変形能力も大幅に増大すること、などが明らかとなり、強度と粘り共に優れた構造とすることが可能であることが判明した。また、今後、鋼繊維が部材や架構の曲げ耐力、せん断耐力、変形能力の向上にどのように貢献するかを定量的に検討する必要があることがわかった。
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