2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい微動アレイ探査法を用いた地下構造推定に基づく強震動予測
Project/Area Number |
16360281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
篠崎 祐三 東京理科大学, 工学部, 教授 (80026236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 卓 東京理科大学, 工学部, 助手 (40349840)
堀家 正則 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80221571)
長 郁夫 (財)地盤地域環境研究所, 研究員
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Keywords | 微動 / 地震波位相速度分散曲線 / アレイ観測 / ラブ波 / レイリー波 / 交通振動 / 地下地盤構造 |
Research Abstract |
本研究では微動アレイ観測においてレイリー波の位相速度が既知でなくてもラブ波位相速度を直接推定することのできる、新たな微動探査のアルゴリズムを提案している。この手法は「スペクトル比」と呼ばれる中間的な量を介して、レイリー波、およびラブ波のパワーや到来方向の情報を打ち消し、ラブ波位相速度の情報のみを取り出すというものである。 本研究では、新手法を用いて実測データからラブ波位相速度を検出し、その適用性を検討することを目的としている。しかし、新手法によりラブ波位相速度を推定した例は過去にないことから、どうすれば精度よくラブ波位相速度を検出できるかを探るべく、新手法の基本方程式の性質を予備的に考察することから始めた。この考察結果を元に観測計画を立て、これにしたがって微動観測を行なった。観測地は、後で解析結果の妥当性を評価するために地下地盤構造が既知であること、および微動場の時間的定常性が保持されていることを主な基準として選定した。また、微動探査を行なう場合、観測地近傍の交通振動が解析結果に及ぼす影響が懸念される場合が多いことから、交通振動の強弱変動により微動場の時間的定常性が崩れているようなサイトも敢えて選定した。 次に、微動観測によって得られた波形を新手法のアルゴリズムに従って処理し、得られた解析結果を当該観測サイトの既知地盤構造から算出されるラブ波の理論分散曲線、または中間量である「スペクトル比」と比較し、新手法の適用性を検証している。その際、解析結果が理論値をよく再現していない場合もある。そこで、理論値と解析結果との間に数値誤差が生じる場合、その原因として高次モードの混在、方位エリアジング、およびインコヒーレントノイズの存在の三つを考え、それぞれが解析結果に及ぼす影響を考察した。
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Research Products
(2 results)