2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファサードエンジニアリングの統合化による都市環境の改善
Project/Area Number |
16360283
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岩田 衛 神奈川大学, 工学部, 教授 (50322532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 徹 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (80361757)
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Keywords | ファサードエンジニアリング / 都市景観 / 構造要素 / 座屈拘束ブレース / 構造実験 / 性能評価 |
Research Abstract |
建物の外壁面を構成するファサードは、都市景観を形成する重要なものであるとともに建物内部を外的環境から保護し、建築物の消費エネルギー効率に影響を与える要素である。既往の研究では、座屈拘束ブレースとルーバーの機能を分離させた分離型と座屈拘束ブレースにルーバーの機能を持たせた一体型が提案されている。 本年度の研究では、新たにファサードモデルとしてフレームの外側に座屈拘束ブレース(以下ブレース)を斜行に連続して設置させ、ブレースが補強要素だけでなくルーバーの機能を兼ね備えた一体型モデルを提案し、新しく提案されたモデルについて構造的側面から耐力確認実験を行い、ファサードの構造性能を把握すると共にブレースが外側に配置された場合のブレースの性能の検討を行った。 実験に用いた試験体は、6層15スパンの新築と想定した建物から1/2.5に縮小した1層1スパンの鉄骨フレームを抜き出し、斜行にブレースを4本配置したものとする。上下梁はブレースを配置するために剛性の高い角型鋼管を用い、柱にはH型鋼を用いた。ブレースの芯材サイズはPL-4.5×35で全長がL=2000とする。載荷は層間変形制御による静的な正負交番繰返しとし、層間変形角1/500,1/250,1/100をそれぞれ正負2回ずつの載荷を行った。 この斜行ブレース・ルーバー一体型ファサードモデルの耐力実験結果を考察・分析し、次の知見が得られた。 (1)層間変形角1/100相当の変形を与えても急激な耐力低下が見られず、安定した履歴特性を有することが確認できた。 (2)提案したファサードモデルは座屈拘束ブレースがエネルギーを吸収するため主架構に与える損傷の影響が少ない。 (3)このモデルの構造性能が確認できたことにより、さらに新たなデザイン性を持つファサードを提案することができる。
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