2005 Fiscal Year Annual Research Report
ベースプレート降状型ロッキング制振建築構造システムの耐震性能評価
Project/Area Number |
16360284
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
緑川 光正 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90126285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小豆畑 達哉 国土交通省国土技術政策総合研究所建築研究部, 主任研究官 (00251629)
石原 直 国土交通省国土技術政策総合研究所建築研究部, 主任研究官 (50370747)
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
|
Keywords | ロッキング振動 / 浮き上がり / ベースプレート降伏 / 地震応答低減 / 地震応答解析 / 加力実験 / 立体挙動 / 耐震性能評価 |
Research Abstract |
本研究では,鉄骨造建物の最下層柱脚部分に浮き上がり時に降伏するベースプレートを設置したロッキング構造システムを対象とする。強震動を受けた建物にロッキング振動が生じると,このベースプレートが柱からの引張力を受けて降伏し,地震入力エネルギーを吸収することができる。本システムは,地震時において建築物に意図的にロッキング振動を誘発することによりその地震力の低減を図るロッキング制振システムの一種で,従来より簡易な機構により地震力を低減できる。 本システムを実現するための具体的な制振部材(ベースプレート)を試作した上で,縮小模型振動台実験と地震応答解析により,このシステムの制振効果を明らかにする。また,ベースプレートの履歴特性に関する資料を得るために,柱脚部にベースプレートを取り付けた縮小模型及び大型試験体を製作し,静的加力実験を行なう。更に,実験結果との比較を通して検証されたベースプレートの履歴特性と応答解析手法を用いて事例解析を行い,本システムの実際の建物への適用性を検討する。最終的に,上記の実験・解析結果に基づき,本システムの制振効果,浮き上がり後の着地時点で生じる衝撃力が上部構造の応答に与える影響の程度,及び本システムの簡易応答予測方法を,本研究成果としてまとめる。 本年度は,以下の項目について研究を行った。 1)降伏型ベースプレートの履歴特性と等価粘性減衰定数の評価 降伏型ベースプレートを鉄骨造柱脚部に取り付けた縮小模型及び大型試験体の静的加力実験結果から,履歴特性のモデル化と等価減衰定数の評価を行った。また,ベースプレート単体とそれが組み込まれた建物全体の等価減衰定数の関係を導いた。 2)柱脚部浮き上がりを伴う地震応答時の立体挙動 鉄骨造10層試設計建物の三次元立体骨組解析モデルを用いた多次元地震動入力による弾塑性地震応答解析を行い,柱脚部浮き上がりを伴う建物の1次元,2次元,3次元入力時の地震応答を詳細に比較検討した。 3)柱脚部浮き上がり後の着地時に生じる衝撃力が建物の耐震安全性に及ぼす影響 鉄骨造10層試設計建物を対象として,三次元有限要素解析を用いた弾塑性地震応答解析を行い,柱脚部浮き上がり後着地時に降伏型ベースプレート及び柱部材に生じる局部的な応力・歪の度合いを定量的に把握した。
|
Research Products
(4 results)