2004 Fiscal Year Annual Research Report
砺波散村における環境情報の可視化と中学生を対象とした生活環境教育への応用
Project/Area Number |
16360287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅干野 晁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50108213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 暁信 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (10313016)
浅輪 貴史 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50361796)
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Keywords | 水田 / 熱環境調整機能 / 屋敷林 / 微気候 / 航空機MSS / 環境教育 / アニメーション |
Research Abstract |
砺波市街地を取り囲む水田地帯から市街地の中心部までの間に測定点を設定して、夏季に気候観測を行い、水田上と市街地中心部の気温差、風速と市街地測定点での気温低減の関係について考察を行なった。また、市街化に伴って点的に残されている水田を取り上げて、水田の風上側と風下側において気候観測を行い、風向風速と気温変動の関係について分析した。その結果、市街地を取り囲む水田上の冷涼な空気が幹線道路を通じて市街地に流入することにより市街地中心部の気温が低減されることが明らかになり、風速が2m/s以上になると1.0℃程度の気温低下がみられることが示された。市街地に内包された小規模水田を対象とした分析からは、水田の風上側と風下側の比較では1.5℃程度の気温差がみられることが示され、風速が増すにつれて気温差が大きくなることが示された。 砺波散村に残る屋敷林については、その内外の生活空間について、全球熱画像収録システムを併用して温熱風環境の実測を行い、屋敷林内外に形成された微気候の特性を明らかにした。また屋敷林の規模・形状と管理形態の現状、屋敷林生育の時系列変化について現地調査を踏まえて情報整備を行なった。 また冬季に航空機MSSによる高・中・低高度のリモートセンシング観測を行い、砺波地域に優占する水田が雪に覆われる時期の表面温度分布等の情報を得た。リモートセンシング観測時には、現地において雪の残存状況などの調査を行った。 上記の研究から得られた知見をもとに、水田の熱環境調整機能をわかりやすく示したアニメーションを作成し、さらに全表面熱収支シミュレーションを用いて屋敷林内外の生活空間における熱環境特性を再現した。これらをもとに、南砺市の教育担当者ならびに地元中学校の教師と中学校における環境教育実践に向けた協議を行い、次年度の環境教育実践に向けた準備を進めた。
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Research Products
(4 results)