2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノンケミカルな調湿材料を用いた住宅床下の防腐・防蟻効果の検証
Project/Area Number |
16360294
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
栗本 康司 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教授 (60279510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 修一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (20279508)
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
板垣 直行 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (00271891)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40230809)
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Keywords | 床下調湿 / 木炭 / 木材腐朽菌 / シロアリ |
Research Abstract |
1 目的・趣旨 本研究では、木炭やゼオライトなどの調湿材とガラスウール製断熱材を用いて住宅床下の湿度管理と物理的遮蔽を積極的に施すことによって、木質材料の耐久性がノンケミカルな手法によっても十分に確保できることを実証しようとするものである。 2 研究経過の概要 本研究は、次に示す4つの課題で構成している。(1)調湿材の能力評価(2)木材腐朽菌の水分依存性の検討(3)シロアリの水分依存性の検討(4)野外実験用床下モデルを用いた実証試験。このうち(4)に関わる野外試験を、京都大学生存圏研究所「生活・森林圏シミュレーションフィールド」(LSF)を利用して行った。 3 研究成果の概要 調湿能力の数値評価を行った結果、火山礫の調湿能力は極めて低かった。その他の材料では、B型シリカゲルと同等の能力を発揮するのに、重量基準で、スギ木炭1.8倍、ゼオライト2.5倍、珪藻土3.2倍の重量を必要とした。また、これを容積基準で表すと見掛け密度の低いスギ木炭と珪藻土が共に6.4倍、ゼオライトが2.2倍の容量を必要とした。 布基礎部に通気口を確保した床下モデルでは、調湿材の有無で比較すると、床下温度は両者でほぼ同じであったが、調湿材有りの相対湿度が試験期間中を通して低い傾向が認められた。また、布基礎部に通気口を設けない床下モデル(ガラスウール基礎、スタイロフォーム基礎)では、床下内部の相対湿度が調湿材の有無に関係なく飽和状態に達した。現在、モデルの改良など試験方法について再検討を進めている。なお、シロアリの断熱材食害とモデルへの侵入は今のところ認められないが、周辺餌杭にはシロアリが侵入しているので、今後推移を観察する必要がある。
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Research Products
(2 results)