2004 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者環境支援指針に基づく既存施設の環境改善手法の開発と効果の多面的評価
Project/Area Number |
16360306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
児玉 桂子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (20153562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
児玉 昌久 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80008135)
下垣 光 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (30287792)
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Keywords | 認知症高齢者 / 施設環境づくり / 多面的施設環境評価尺度 / 介入研究 / 施設環境評価 / 高齢者施設 / 痴呆性高齢者環境支援指針 |
Research Abstract |
既存の特別養護老人ホームやグループホーム等における認知症高齢者の急増に対して、認知症高齢者の適応を助ける環境支援方法の開発と有効性の検証を、大規模調査や介入研究により実施した。 1.わが国の痴呆ケアの実情に対応した多面的施設環境評価尺度の作成 ラダーリング法を用いた個別インタビューによる施設環境評価語の収集とその分析、さらに特別養護老人ホーム等3種類の施設職員への大規模調査より、「場所や空間の雰囲気」「心身機能の維持」「変化や刺激」「個人の尊重」「家族の安心」等13の次元から構成される尺度を作成した。 2.施設環境づくりプログラムの改訂と新たな介入研究 施設スタッフが取り組むことのできる6ステップから成る「施設環境づくりプログラム」の改訂を行い、6カ所の特別養護老人ホームにおいて、8ヶ月にわたる介入研究が進行している。上記の「多面的施設環境評価尺度」を効果測定に採用している。 3.グループホームにおける施設環境づくり効果の多面的評価 3カ所のグループホームでは施設環境づくり介入研究が終了して、環境づくりの効果測定が職員と痴呆性高齢者に対して行われた。その結果、環境や個別ケアの改善、言語表現が困難な痴呆性高齢者のストレスを唾液中の免疫抗体分析により把握し、環境づくり効果を明らかにした。 4.認知症の程度に対応した環境配慮項目の有効性の検討 多様性・個別性の高い認知症の症状に対応した環境支援方法を明らかにするために、介護支援専門員等の福祉専門職を通じて在宅の認知症高齢者への調査を実施した。20項目の在宅環境配慮の項目について、軽度と中重度の認知症高齢者では有効性に差があることを明らかにした。 5.環境づくりウェッブサイトによる情報の共有化 施設環境づくりに参加する施設間の情報の共有化および一般への情報発信のために、環境づくりウェッブサイトを作成した。この研究で、日本痴呆ケア学会石崎賞を受賞した。
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Research Products
(4 results)