2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハーフメタル強磁性体を用いた無歪み単結晶MR素子に関する研究
Project/Area Number |
16360313
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 正顯 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90013531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 秀文 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50262853)
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Keywords | ハーフメタル強磁性体 / TMR / 単結晶薄膜 / ペロブスカイト酸化物 / ホイスラー合金 / スピン分極率 / アンドロエフ反射 / スピン素子 |
Research Abstract |
1.ハーフメタルのLa_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3(LSMO)(Tc=370K)を使用したTMR素子におて、LSMO膜作製後の冷却時の酸素ガス分圧を最適化(酸素分圧0.1Torrのアルゴンガス中)することによって、62%のTMR比を得た。その他の酸素分圧では最大4%であった。 2.最適化された酸素分圧下で冷却されたLSMO膜のスピン分極率をNbN超伝導薄膜を使用したアンドロエフ反射法によって測定し、分極率=0.77を得た。また、他の分圧の試料では分極率は小さく、50Torrの分圧では0.39まで低下した。その原因は、高い酸素分圧のもとでは、SrOが析出しているためであること判明した。 3.2重ペレブスカイト酸化物のSr_2FeMo_6(SFMO、Tc=420K)薄膜をミスフィットの小さいBa_<0.4>Sr_<0.6>TiO_3(BSTO)上に作製し、大気暴露による表面構造変化を調べた。その結果、ネイティブ酸化物として、SFMO表面にSrMoO_4(絶縁体)が生成し、その厚さは大気暴露時間の関数として評価できることが分かった。従って、暴露時間を調整して、厚さ約1nmのSrMoO_4をSFMO表面上に生成させ、CoとのTMR素子を作製し、約10%のTMR比を得た。この値は世界最大級の結果である。なお、SFMOのスピン分極率は0.6であった 4.ホイスラー合金のCo_2MnGeとCo_2MnSiで、高配向性薄膜は得られるにもかかわらずTMR比は小さいのは、表面平坦性に原因があることが分かった。そこで、平坦性を改善するために、原点に戻って、バッファー層の検討を行った。その結果TaまたはNi-Ta膜を使用すると表面荒さが0.1nm程度に減ぜられることが分かった。 5.(Ni_<1-x>Co_x)_2MnGa合金を作製し、磁気測定とバンド計算によってx=0.7〜0.9でハーフメタルであることを見いだした。 6.次年度には単結晶ハーフメタルのTMRの異方性を調べる計画である
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Research Products
(6 results)