2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハーフメタル強磁性体を用いた無歪み単結晶MR素子に関する研究
Project/Area Number |
16360313
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 正顯 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (90013531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 秀文 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50262853)
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Keywords | ハーフメタル薄膜 / ペロブスカイト酸化物薄膜 / ホイスラー合金薄膜 / TMR / GMR / 単結晶膜 / 配向膜 / バンド構造 |
Research Abstract |
1.ハーフメタルのLa_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3(LSMO)(Tc=370K)に素子作製のための微細加工を施すと、ミリングによって膜特性が著しく劣化する問題を解決するための新プロセスを開発した。新プロセスは電子リソグラフィー法とフォトリソグラフィーを利用する方法で、LSMO膜とパーマロイ(Fe Ni)合金膜の積層交換結合膜を作製すれば、LSMOの巨大なCMR効果を低磁場化(ソフト化)することができることが判明した。 2.2重ペレブスカイト酸化物のSr_2CrReO_6(SCRO、Tc=635K)をミスフィットの小さいSrTiO_3(STO)上に作製し、長範囲規則が0.98の高品質薄膜が得られた。SCRO膜の大気暴露に伴う酸化過程をXPSで調べた。まず、暴露前のReのXPSスペクトルは多重ピーク構造であり、暴露によってSr_3Re_2O_9が生成して劣化するがMgO膜で被覆すれば劣化が著しく小さいことが判明した。そこで、SCRO/MgO/Coの3層膜を作製し、4.2Kで、114%のTMRを観測した。この値はこの物質では世界最大値である。 3.Si基板上に、NiTa膜とCr膜を用積層することによって、ホイスラー合金のCo_2MnGe、Co_2MnSiの高配向性薄膜(擬似単結晶)とMgO絶縁層を用いた完全配向素子を作製することができた。また、(100)と(110)の結晶配向制御ができることが判明した。これは、MgO単結晶基板を用いることなく、Si基板でも高配向膜ができることを示した研究で工学的な価値は高い。 4.(Co_<1-x>Ni_x) _2MnGaで実験と電子のバンド構造の計算によって、Co側のハーフメタル性とNi側の強磁性形状記憶合金の性質との関連を電子論的に明らかにした。また多くのホイスラー合金のバンド計算を行った。
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Research Products
(6 results)