2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハレクシスCBED法を用いた鉄シリサイド半導体薄膜の結晶性評価
Project/Area Number |
16360315
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (20203078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多 聰 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (60264107)
桑野 範之 九州大学, 産学連携センター, 教授 (50038022)
奥山 哲也 久留米工業高等専門学校, 助教授 (40270368)
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Keywords | 鉄シリサイド / スパッタ薄膜 / エピタキシャル成長 / 透過型電子顕微鏡 / 微細構造解析 / 収束電子線回折 / 格子歪み測定 / 方位解析 |
Research Abstract |
環境低負荷型半導体として脚光を浴びる鉄シリサイド薄膜のナノ組織制御についての指針を得るために、本年度はまずSi(001)基板にスパッタ法でβ-FeSi_2薄膜を作製する際の成膜条件(Fe堆積速度V_<Fe>、基板温度Ts)と得られる薄膜の微細構造との関係を透過電子顕微鏡(TEM)を用いて解析した。 V_<Fe>=0.02nm/s,Ts=500℃ではα-FeSi_2相がまず生成し、β-FeSi_2相が遅れて生成する。この際得られるβ-FeSi_2相は粒状であるが、いずれの粒もSi基板にエピタキシャル成長していた。一方、V_<Fe>=0.01nm/s,Ts=350℃による成膜ではα-FeSi_2相の生成が抑えられ、約30nm厚のβ-FeSi_2がSi基板表面を連続的に覆うようにエピタキシャル成長した多結晶β-FeSi_2連続膜を得ることに成功した。以上の結果は、成膜条件により得られるシリサイド相の種類だけでなく、界面形状を含めた薄膜の形態をさまざまに制御できる可能性を示唆している。 形態制御への試みとして、Si(001)基板表面を矩形加工したパターン基板に種々の条件でスパッタ成膜を試みた。パターンを構成する基板面によりターゲットからのFeの供給量が異なり、その結果基板面毎に生成相の種類と形態が変化するという興味深い結果が得られた。 次に、収束電子回折(CBED)法によるβ-FeSi_2/Si界面での格子歪みの解析について検討を行った。まず、簡単な計算機シミュレーションを行って試料膜厚および入射方位などについて検討した。この結果を基に、実際にCBED測定を行ってSi基板側の歪みが約0.1%の制度で検出できることを確かめた。今後、実際にPL発光が確認されているβ-FeSi_2薄膜について界面近傍での格子歪みの検出を行って、発光特性と格子歪みとの関連を明らかにして行く予定である。
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Research Products
(4 results)