2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハレクシスCBED法を用いた鉄シリサイド半導体薄膜の結晶性評価
Project/Area Number |
16360315
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
板倉 賢 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助教授 (20203078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多 聰 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助手 (60264107)
桑野 範之 九州大学, 産学連携センター, 教授 (50038022)
奥山 哲也 久留米工業高等専門学校, 助教授 (40270368)
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Keywords | 鉄シリサイド / スパッタ薄膜 / エピタキシャル成長 / 透過型電子顕微鏡 / ALCHEMI測定 / 収束電子線回折 / 歪み測定 / 方位解析 |
Research Abstract |
今年度は、実際に高輝度PL発光を示すCu堆積Si基板β-FeSi_2薄膜についてTEM微細構造観察ならびにALCHEMI法(HARECXS法)による第3元素占有サイトの同定、およびCBED法による格子歪み測定を試みた結果、次のようなことが明らかになった。 (1)Cu層なしの試料はβ(100)//Si(001)のエピ関係を有する多結晶連続膜となるが、β-FeSi_2/Si界面のSi側およびβ-FeSi_2膜内に多数の欠陥が観察された。 (2)Cu層を挿入すると、β-FeSi_2はジャストエピの関係からずれていき、界面がファセット化して膜状から粒状へと形態が変化し、β-Fesi_2粒内の欠陥が消失する。そのため、非発光再結合中心となるSi界面およびβ-FeSi_2粒内の欠陥が大幅に減少し、それに伴ってPL発光特性が大幅に改善される。 (3)ALCHEMI測定によりβ-FeSi_2微粒子内の微量添加元素のサイト占有位置を初めて解析することに成功した。β-FeSi_2微粒子内に入ったCuはFeサイトを占有することが見出された。 (4)300nm程度のR-FeSi_2微粒子においては、入射ビームを一点に留めたままロッキングさせることが装置の精度上難しく、HARECXS法の適用は今後の課題である。 (5)β-FeSi_2粒およびSi基板のいずれからも明瞭なCBEDパpターンが取得でき、接合界面近傍での格子歪みの評価が可能であることがわかった。特に、β-FeSi_2粒からのCBEDパターン測定はこれまでに報告がなく、今後格子歪み評価の新たな展開が期待される。
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Research Products
(5 results)