2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360318
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
今井 基晴 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主幹研究員 (90354159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 隆 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主幹研究員 (70370319)
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Keywords | 超伝導 / スクッテルダイト |
Research Abstract |
当該年度においては、Siよりも原子番号が1つ大きいPが主な構成元素であり特徴的な共有結合性ネットワークを持つという点でシリサイド関連物質である充填スクッテルダイトLa_xRh_4P_<12>の合成および超伝導パラメータの測定を主に行った。 ベルト型高圧発生装置を用いて9.4GPa,1473Kの高圧・高温下で充填スクッテルダイトLa_xRh_4P_<12>を合成した。出発物質としてはLa、Rh、Pの混合物(モル比1:4:12)を用いた。電子プローブマイクロ分析(EPMA)を用いて合成した試料の組成を評価した結果、合成された試料はLa_<0.8>Rh_4P_<12>であることがわかった。また、La_<0.8>Rh_4P_<12>の格子定数を粉末X繰回折法を用いて8.0785(5)Aと決定した。組成、格子定数より密度を5.59g/cm^3と見積もった。電気抵抗率測定、磁化率測定により、La_<0.8>Rh_4P_<12>の超伝導オンセット温度は14.9Kであることを明らかにした。ゼロ磁場冷却における20Oe、2Kでの超伝導体積分率は89%であり、観測された超伝導がバルクに起因することを示している。磁場下での電気抵抗測定により、上部臨界磁場H_<C2>、ギンツブルグーランダウ(GL)コヒーレント長をそれぞれ167kOe、4.41nmと決定した。更に比熱測定を行い、電子比熱係数及びデバイ温度を25.1mJ/molK^2、459Kと決定した。T_C、デバイ温度、McMillan方程式を使用して見積もられた電子-フォノン結合係数は約0.7である。この値はLa<0.8>Rh_4P_<12>が中程度の結合を持つ超伝導物質であることを意味している。
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Research Products
(3 results)