2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマニウムおよびシリコン過冷却融液における熱・物質の輸送特性
Project/Area Number |
16360320
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
稲富 裕光 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙環境利用科学研究系, 助教授 (50249934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 一彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙環境利用科学研究系, 教授 (70092195)
長汐 晃輔 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙環境利用科学研究系, 助手 (20373441)
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Keywords | 半導体融液 / 電磁浮遊 / 熱物性 / 対流 / 静磁場 |
Research Abstract |
1350K〜1960Kの溶融シリコンの密度および熱伝導率の温度依存性を真空中および不活性ガス雰囲気中で求めることに成功した。これは、静磁場の印加により浮遊融液の形状および位置が安定化したこと、また融液中の対流が強く抑制されたことによるものである。熱伝導率を求めるために密度の温度依存性を得る必要があった。そして、熱伝導率はCO_2レーザーを用いたレーザーパルス加熱法により得た。その結果、溶融シリコンの密度は温度の上昇に伴い一次関数的に減少し、従来報告されていた融点近傍での特異的な変化は見られないことを明らかにした。また、融点以上では坩堝を用いた佐藤らの計測結果と良く一致していた。熱伝導率に関しては、計測値はWiedemann-Franz則から予測される値よりも15%程度高い値を示したが、温度に対する微係数は良く一致した。このことから、静磁場の印加により融液中の対流が強く抑制されたこと、また溶融シリコン中の熱伝導の担体が自由電子である可能性を強く裏付けた。但し、高速度カメラの観察により6テスラの均一磁場中ではシリコン浮遊融液の回転を静止させることが出来ないことを明らかにした。その回転を抑制してより強く対流を抑制するためには、超伝導マグネット中の浮遊試料位置を変えるなどして不均一磁場を印加する必要がある。ゲルマニウム融液での密度・熱伝導率計測も同様の方法で試みたが、この融液はシリコンの場合に比べて蒸発速度が高く、再現性の良いデータを得るに至っていない。この問題解決のためには、温度・画像データの自動高速計測により短時間で計測を終えて、蒸発量の影響を低減する必要がある。
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Research Products
(4 results)