2004 Fiscal Year Annual Research Report
サマリウム原子加熱法による方位制御単結晶ラインの創製とデバイス展開
Project/Area Number |
16360324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
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Keywords | サマリウム原子加熱法 / レーザー照射 / 単結晶ライン / 強誘電性 / 第二高調波発生 / ガラス / 結晶化ガラス / 光導波路 |
Research Abstract |
本研究は、我々が発見した原子サイズの局所的な加熱を可能にする新プロセス"サマリウム原子加熱法"を種々のガラス系に適用して結晶ラインパターニングをガラス基板上に作製し、さらに次世代機能デバイス素子に応用展開することを目的とするものである。得られた成果を下記に示す。 1.Sm_2O_3-Bi_2O_3-B_2O_3系ガラス ○ガラスの熱処理によって生成する2種類の準安定結晶相の二次光非線形性の大きさを明らかにした。さらに、希土類イオンの固溶によって準安定結晶相が安定化されることを見出した。 ○単結晶ライクな結晶ラインの書き込みを可能にする最適なYAGレーザー照射条件を明らかにした。 ○レーザー走査方向を変えるだけで様々な屈曲した(0-90度の角度)あるいは曲線状(サイン形状)の結晶ラインを極めて均質な状態で書き込むことに成功した。 ○偏光光学顕微鏡および偏光マイクロラマン散乱スペクトルの測定により、結晶ラインの方位は屈曲前後で一定に保たれることを見出した。ただし、屈曲点近傍(60μm以内)では徐々に結晶の方位が変化することを提案した。 ○光伝播損失評価装置を自作し、ガラスに書き込んだ結晶ラインが光導波路として機能することを明らかにした。 2.Sm_2O_3-BaO-B_2O_3系ガラス ○YAGレーザー照射で書き込んだ結晶ラインはβ-BaB_2O_4単結晶から成っていることを偏光マイクロラマン散乱スペクトルで確認した。また、蛍光スペクトルからガラス中のSm^<3+>イオンの一部はβ-BaB_2O_4単結晶ラインに固溶していることを明らかにした。 3.RE_2O_3-MoO_3-B_2O_3系ガラス(RE:希土類) ○強誘電性RE_2(MoO_4)_3結晶が熱処理によって析出するガラスを開発した。さらに,YAGレーザー照射によってガラス表面への強誘電性Sm_2(MoO_4)_3結晶ラインの書き込みにも成功した。Sm_2O_3-MoO_3-TeO_2系ガラスにおいても光非線形性を示す結晶ラインの書き込みに成功した。
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Research Products
(6 results)