2006 Fiscal Year Annual Research Report
サマリウム原子加熱法による方位制御単結晶ラインの創製とデバイス展開
Project/Area Number |
16360324
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
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Keywords | サマリウム原子加熱法 / レーザー照射 / 単結晶ライン / 強誘電性 / 第二高周波発生 / ガラス / 結晶化ガラス / 光導波路 |
Research Abstract |
本研究は、我々が発見した原子サイズの局所的な加熱を可能にする新プロセス"サマリウム原子加熱法"およびその手法をさらに発展させた遷移金属原子加熱法を種々のガラス系に適用して結晶ラインパターニングをガラス基板上に作製し、さらに次世代機能デバイス素子に応用展開することを目的とするものである。 ○レーザー照射の結晶成長速度を求め、希土類原子加熱法において品質の良い結晶ラインの形成には、レーザー照射による結晶成長速度とステージ走査速度をマッチングさせることが重要であることを見出した。また、屈曲を持つ結晶ラインにおいて、結晶方位は屈曲点直上で急激に変化するのではなく、屈曲後徐々に元の方位に対応していくことを明らかにした。これは、単結晶基板上に光導波路を形成する場合と比べてデバイス性能の観点から極めて有利である。 ○電気光学効果の最も大きいSr_xBa_<1-x>Nb_2O_6結晶(SBN)に焦点を当て、結晶ラインの書込みを試みた。(1)Sr_<0.5>Ba_<0.5>Nb_2O_6強誘電体結晶を単相で結晶化するB_2O_3含有量の非常に少ない(30mol%)新規なガラスを開発した。(2)NiOを添加し、Nd : YAGレーザーを照射、走査することによりSBN結晶から成る結晶ラインの書き込みに成功した。(3)2NiO-4Bi_2O_3(4La_2O_3)-64SBN-30B_2O_3組成のガラスでは、表面形態が均質な結晶ラインが書き込めると共に、偏光マイクロラマン散乱スペクトル測定から、結晶中のSBN結晶はc-軸配向していることを明らかにした。結晶ラインには一部クラックが発生しており、今後の課題である。 ○現在単結晶基板で用いられているLiNbO_3結晶にも挑戦し、Li_2O-Nb_2O_5-TeO_2系およびLi_2O-Nb_2O_5-SiO_2系ガラスにおいて、LiNbO_3結晶から成る結晶ラインの書込みに成功した。結晶の一部は配向していることを見出した。 ○レーザー照射と化学エッチングの組合せによる新規な形態制御加工法を提案し、実際にBaO-TiO_2-GeO_2系ガラスにおいて数μm・数十μmサイズの内径を持つマイクロチャンネルの創製が可能であることを実証した。この技術を結晶ラインへの電極形成に利用できることを提案した。 ○本研究を通じ、レーザー誘起原子加熱法を用いて次世代光導波路として展開可能な様々な強誘電性結晶のラインをガラス表面に書込むことに成功すると共に、材料創製の科学および工学分野に多大な貢献をした。
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Research Products
(6 results)