2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物ゲルの外部場温水処理による機能性ナノ微結晶分散薄膜の創製
Project/Area Number |
16360327
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70295723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逆井 基次 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50124730)
小暮 敏博 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50282728)
忠永 清治 大阪府立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90244657)
打越 哲郎 物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (90354216)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 外部場 / 温水処理 / ナノ微結晶 / 薄膜 / チタニア / 酸化亜鉛 / 組織制御 |
Research Abstract |
本研究では、(1)種々の酸化物ゲル薄膜を温水で処理する際に、基板に振動、電場、強磁場など作用させ、これらの外部場が析出結晶相、形態および配向性に及ぼす影響を明らかにすることと、(2)得られた知見を基に、光触媒活性、超親水性、防曇性などの機能を有するナノ微結晶分散薄膜を低温プロセスにより創製することを目的とする。本年度は、以下の研究成果を得た。 (1)金属酸化物ゲルの組成依存性 種々の組成のシリカ-チタニア系について電場温水処理を行い、結晶析出形態や特性の変化について詳しく調べた。その結果、チタニア含量が少なくなると、析出するアナターゼの形態が粒状から鋭錘状に変化し、さらにチタン酸シートに変化することがわかった。また、電場印加の効果によって、シート状のチタン酸が析出しやすくなることが分かった。電場温水処理によって得られた薄膜は、紫外光照射後超親水性を示すことなどが明らかとなった。本年度導入した水晶振動子微小天秤装置を用いて温水処理に伴うゲル膜重量の変化を定量的に明らかにすることができた。 (2)外部場温水処理による金属酸化物微結晶析出と表面組織制御 酸化アルミニウム、酸化亜鉛ゲル膜を形成した透明導電性基板と対向電極の間に直流あるいは交流電圧を印加しながら温水処理を行った。その結果、酸化亜鉛ゲル膜の場合には、直流電場温水処理によって負極側で析出する結晶が六角柱状に変化し、シリコン基板を用いた場合には、析出結晶が花弁状に変化することがわかった。ゲル膜の電場温水処理による酸化還元挙動を電気化学測定装置を用いて調べた。 (3)超分子集合体を添加したゲル膜の温水処理による微結晶析出と表面組織制御 P123、F127などの非イオン性界面活性剤を添加したシリカ-チタニア系ゲル膜の温水処理によってアナターゼナノ微結晶が膜中に高分散析出し、紫外線照射によって界面活性剤鋳型を完全除去できることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)