2004 Fiscal Year Annual Research Report
全空間構造解析法による短繊維強化複合材料のクリープ・疲労損傷発現機構の解明
Project/Area Number |
16360335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
栗山 卓 山形大学, ベンチャービジネスラボラトリ, 教授 (10186520)
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Keywords | 複合材料 / 疲労 / クリープ / 繊維切断 / 結晶化度 / ポリアミド |
Research Abstract |
1.モデル材料の作製 母材高分子としては、分子量の異なる2種類ポリアミド6(PA6)を用いた。また、強化材となるガラス繊維は、その表面処理はアミノシランカップリングに固定する。繊維コンテントは、0wt〜30wt%とし、二軸押出機を用いて成形素材を作製し、さらに小型ダンベル試験片に射出成形した(成形条件を変えた)。 2.短繊維ガラス強化熱可塑性プラスチックの構造解析 試験片空間すべてを収束型超音波探触子により走査計測し、成形品マクロ構造を数層に分割した構造として解析する。決定された各層を精密研磨装置により表面より100μmずつ研磨し、繊維配向分布あるいは粒子分散分布を後方散乱走査電子顕微鏡解析のより決定した。さらに。決定した層構造部の代表的な部分ついて両面研磨した試料を作成し偏光顕微鏡観察を行った。母材コア層については球晶サイズをスキン層および流動配向層については分子配向を複屈折値により測定した。 3.全空間構造解析法による一軸引張下での変形・損傷解析 一軸引張試験を行い各変形段階での構造の変化を全空間構造解析した。すなわち、負荷中の変化をAE解析および超音波画像解析を行った。 4.まとめ これらの結果より、試験片内部はスキン層、流動配向層、ランダム層、コア層の4層の年輪構造をとっていることがわかった。コア層は繊維含有率が高く、繊維は流動方向に配向していた。流動配向層は繊維が流動方向に配向しているが繊維含有率が低かった。成形条件によりそれぞれの層寸法が変化した。損傷発生は樹脂リッチ領域であり、この領域の挙動が一軸引張強度に反映することを明らかとした。疲労損傷も同様に樹脂リッチ領域に支配された。
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Research Products
(1 results)