2004 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性形状記憶合金膜における磁場誘起形状記憶効果の評価とその機構解明
Project/Area Number |
16360340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 誠 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30241582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (30281992)
板垣 乙未生 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80006048)
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Keywords | 強磁性体 / 形状記憶合金 / スパッタ膜 / マルテンサイト変態 / 磁場誘起形状記憶効果 |
Research Abstract |
強磁性形状記憶合金は,強磁性と形状記憶効果の2つの機能を併せ持つ多機能材料であり,外部磁場で変位を制御できる高速応答型アクチュエータ材料への応用が期待される.本研究では,組成の異なる4種類のニッケル-マンガン-ガリウム合金ターゲットを用いてスパッタ膜を作製し,均質化熱処理後に拘束条件下で時効処理を施したものについて,形状記憶効果に及ぼす組成の影響を調査した. 得られたスパッタ膜の組成は,Ni_<51.4>Mn_<28.3>Ga_<20.3>,Ni_<54.4>Mn_<21.3>Ga_<24.3>,Ni_<55.2>Mn_<20.6>Ga_<24.2>,Ni_<56.6>Mn_<18.5>Ga_<24.9>であった.以後,拘束時効処理されたそれぞれのスパッタ膜を,各ニッケル組成を用いN51,N54,N55およびN57時効処理膜と呼ぶ.得られた時効処理膜のマルテンサイト変態温度およびキュリー温度は室温以上であった. これらの時効処理膜の加熱-冷却に伴う形状変化挙動を調査した結果,N51およびN54時効処理膜では1K当たりのひずみ変化量が大きく,N54時効処理膜では温度ヒステリシスが小さいことがわかった. また,各時効処理膜をマルテンサイト変態温度近傍で温度一定とし,0〜5Tの磁場を膜面に平行に印加-除去した結果,磁場制御による形状記憶効果が認められた.これは,主に磁気弾性型(磁場誘起)マルテンサイト変態に起因すると考えられる.1K当たりのひずみ変化量が大きく,温度ヒステリシスの小さなN54時効処理膜において,冷却過程で温度を保持した場合,磁場印加に伴い大きなひずみ変化が現れ,磁場除去においても形状変化が確認された.
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