2004 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスのメソ・マクロポーラス組織の制御と機能設計
Project/Area Number |
16360348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 康博 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教授 (20150518)
兵頭 健生 長崎大学, 工学部, 助手 (70295096)
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Keywords | 酸化スズ / メソ細孔 / マクロ細孔 / ガスセンサ / 水素 / ポリメチルメタクリレート球状微粒子 / セチルピリジニウムクロリド / トリブロックコポリマー |
Research Abstract |
本年度は,メソポーラス酸化スズ(m-SnO_2)を表面修飾した既存酸化物粉末やラージメソポーラス酸化スズ(lm-SnO_2)を用いたセンサの特性を明らかにするとともに,メソ細孔のみならず発達したサブミクロンオーダーの多孔質構造を有する酸化スズ(p-SnO_2)の調製を試みた。 1.m-SnO_2の既存酸化物粉末への表面修飾 m-SnO_2原料として,セチルピリジニウムクロリド(C_<16>PyCl)の自己集合体(メソ細孔用鋳型)とスズ酸ナトリウム(Na_2SnO_3,スズ源)を用いた。それらを,通常の方法により得られるIn_2O_3,ZnOおよびSnO_2粉末の表面に修飾した。その結果,m-SnO_2修飾In_2O_3およびm-SnO_2修飾ZnOは,期待したほどのH_2ガス応答に対する増感効果は得られなかった。一方,m-SnO_2修飾SnO_2は,比較的大きなH_2ガス応答が得られるとともに,SnO_2表面に貴金属微粒子(Pd,Pt,Ruなど)を高分散担持することにより,大幅にH_2応答特性が改善されることを明らかにした。 2.トリブロックコポリマーを用いたm-SnO_2調製とガスセンサ特性 C_<16>PyClより分子量が大きいトリブロックコポリマー(分子量:5800)を鋳型として用いることにより,3-4nm付近にシャープな細孔分布を有するlm-SnO_2が得られた。さらに,それをセンサ材料として用いることにより,比表面積がm-SnO_2よりも小さいにもかかわらず,比較的良好なガスセンサ特性が得られた。これは,細孔径が若干大きくなったことで,被検ガスのガス拡散性が改善されたためと考えられる。 3.高分子球状微粒子を用いたp-SnO_2の作製とメソ細孔の導入 サブミクロン径のポリメチルメタクリレート球状微粒子を鋳型として利用することにより,規則性サブミクロン細孔を有するp-SnO_2厚膜を調製できた。さらに,原料としてm-SnO_2前駆体を利用することで,p-SnO_2厚膜の酸化物壁にメソ細孔を有するセンサ材料が作製できた。
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Research Products
(6 results)