Research Abstract |
本研究では,木材粉末の固形化・流動のメカニズムを解明すると共に,木材粉末のみを用いた複雑形状部品の成形技術を確立することを目的としている. 木材粉末を用いて複雑形状部品を成形する場合には,金型への充満状況(流動性)とその部分での固形化が重要課題である.本年度は,(1)木材粉末の固形化・流動メカニズムの解明,および,(2)複雑形状部品の成形の可能性と問題点の把握について検討した. 1.木材粉末の固形化・流動のメカニズムの解明:木材粉末の寸法・形状,含水率および金型内の雰囲気(温度,圧力)を変化させて圧粉成形を行い,加圧・加熱・冷却時の木材粉末の形態変化と固形化との関係を調べ,最適な固形化条件を明らかにした.また,最適固形化条件を参考にして,種々の押出し比のもとで押出し実験を行い,木材粉末の流動性と固形化との関連を明らかにした.そして,得られた成形体の硬さ試験,かさ密度測定,曲げ試験,引張試験を行い,これらの機械的特性に対する加工条件の影響を明らかにした. 2.ホットプレスによる小形複雑形状部品の成形:カップ形状の金型を用いてホットプレスを行い,成形条件(圧力,温度,粉末形状等)と粉末の流動状況の関係を調べた.また,成形品の寸法・精度,かさ密度分布および機械的特性を調べた.その結果,カップ形状の成形品のホットプレスを行うためには,金型の形状および粉末の加圧方向が重要であること,および,金型への流動に対しては,木材粉末の寸法と含水率が大きく影響することが明らかとなった.
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