2006 Fiscal Year Annual Research Report
木材粉末のみを素材とした低環境負荷・循環型材料の成形技術の開発
Project/Area Number |
16360363
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高倉 章雄 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (40163183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 高志 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (60335312)
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Keywords | 材料 / 木材 / 粉末成形 / 高温圧縮 / 新素材 / 低環境負荷 |
Research Abstract |
木材粉末を用いて複雑形状部品を成形する場合には,金型への充満状況(流動性)とその部分での固形化が重要課題である.本年度は,前年度までに得られた研究成果を基にして,実用化製品の製造を目的とした木材粉末用の射出成形装置を開発し,木材粉末のみによる複雑部品の射出成形を試み,その可能性と問題点について検討した. 開発された射出成形装置は,粉末充填部,ゲート部,金型部で構成されており,これらの各部は密閉コンテナ内に配置されている.また,木材粉末の射出成形において,粉末の流動性と固形化に影響を及ぼす重要な成形因子である含水率,温度,圧力および射出後の金型内の成形品の水分除去を任意に調節することが可能である.この装置を用いて,木材粉末の寸法・形状,含水率および金型内の雰囲気(温度,圧力)を変化させて射出成形を行い,流動状態および固形化状態に対するこれらの成形因子の影響を検討し,射出成形における木材粉末の流動・固形化のメカニズムの解明を行った. その結果,木材粉末の水分の蒸発を防いだ密閉コンテナ内では,温度160℃の成形条件で,木材粉末の含水率が多くなるほど,木材粉末は良好な流動性を示し,小さい成形圧力で金型の隅々まで充填することを明らかにした.しかし,含水率が多くなると加工後の成形体からの水分の流出によって形状不良(収縮割れ)が生じる.そこで,良好な成形体を得るための木材粉末の初期含水率および成形途中での水分除去時等の最適加工条件を明らかにした.最適加工条件の下では,金型の隅々において相対かさ密度0.9以上,ビッカース硬さ約25HVの均質な複雑形状部品(ワイングラス形状)の成形が可能であることが明らかとなり,木材粉末のみによる実用化製品の製造の可能性が示された.
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Research Products
(2 results)