2005 Fiscal Year Annual Research Report
その場製造マグネシウム蒸気を用いた溶鋼脱酸による鋼の超高清浄化と介在物の微細化
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16360372
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 守 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70023273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 健 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40362272)
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Keywords | MgO / アルミニウム熱還元反応 / Mg蒸気 / 溶鋼脱酸 / 溶鉄脱硫 / 介在物 / 微細化 / 高清浄鋼 |
Research Abstract |
高温実験および水モデル実験の手法を併用し、MgOのAl熱還元反応によりその場製造したMg蒸気を利用した溶鋼脱酸・溶銑脱硫について検討した。脱酸生成物であるMgO介在物の除去、微細化の効果、およびメカニズムを検討した。さらに、溶銑脱硫における復硫の問題とMgOのAl熱還元反応のメカニズムも検討した。 1.その場製造したMg蒸気を利用して溶鋼脱酸の高温実験を行い、脱酸生成物の挙動を検討した。本脱酸プロセスにおいて生成する介在物は、1μm程度と非常に微細な球状介在物である。多くの脱酸の生成物はMg+Ar気泡によって付着除去された。各操作因子が脱酸の速度および介在物の挙動に与える影響を明らかにした。脱酸後の試料の組織観察から、介在物の数分布および組成を明らかにした。 2.その場製造したMg蒸気と金属Alを併用した溶鋼脱酸を行った。Al脱酸の生成物であるAl_2O_3を中心核として周辺部がMgOで覆われた介在物が多く存在した。このような介在物は凝集しにくく、Al_2O_3介在物のクラスター化が有効に抑制された。 3.ガス吹き込みによる介在物除去の水モデル実験を行い、上昇気泡による介在物の衝突・随伴挙動、および、スラグによる浮上介在物の吸着挙動を高速度ビデオカメラで観察して検討した。介在物は浮上気泡と衝突した後、気泡に随伴しながら浮上する。実験結果に基づいて、介在物の除去速度に及ぼす各操作因子の影響を明らかにした。 4.その場製造したMg蒸気による溶銑脱硫プロセスにおける復硫の問題を検討した。復硫のメカニズムを明らかにし、CaO、および活性炭粉末の浴表面への添加により、復硫が抑制できることを見出した。 5.MgOのAl熱還元反応の微視的機構について検討した結果、Al粒子を覆ったAl_2O_3皮膜が破れ、溶融AlがMgO層内に浸透してから熱還元反応が起こることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)