2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造を制御したプロトン伝導性セラミック薄膜の創製と燃料電池膜システムの構築
Project/Area Number |
16360386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
都留 稔了 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20201642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺枝 正司 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40026224)
吉岡 朋久 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50284162)
弦巻 茂 三菱重工業株式会社, 技術本部広島研究所PEFC開発センター, 研究員
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Keywords | 燃料電池 / プロトン伝導性 / チタンリン複合参加物 / ナノ構造 / 膜電極接合体 |
Research Abstract |
新規なプロトン伝導材料としてのナノ構造を制御した無機材料を提案し,そのプロトン伝導特性を明らかとするとともに,電極とプロトン伝導膜の接合体(いわゆるMEA:Membrane-Electrode Assembly)を創製し燃料電池発電特性を明らかとすることを研究目的とする。具体的には,以下を本研究における実施項目とする。 (1)ナノ構造制御によるプロトン伝導性薄膜の創製 ・酸化チタンを用いて数nmの細孔を有するナノ多孔性基材を作製し,その細孔中に高プロトン伝導材料であるチタンリン複合酸化物を充填することで,ナノ構造制御を制御したセラミック薄膜を創製した。プロトン伝導特性を室温〜中高温(300℃)および種々の水蒸気圧下において評価した。150℃,水蒸気圧2.5kPa(0.5RH%)では,無加湿時に比べ3桁も大きい10^<-2>S/cmという高い値を示した。これは,低水蒸気圧においても膜細孔表面に吸着した水分子によりプロトンの解離が促進され,水分子を介してプロトンがホッピング移動したためと考えられる。また,水蒸気圧が高くなると,電気伝導率の上昇は緩やかになり10^<-1>S/cm程度の値で定常に達した。 (2)燃料電池発電特性 ・電子伝導を有する多孔質支持体としてカーボン基材を選定し,プロトン伝導セラミック超薄膜を製膜することで,新規な電極/プロトン伝導膜接合体を作製した。基材表面薄膜型Ti/Tip膜は,150℃において最大電力密度11μW/cm^2,H_2透過係数3.4x10^<-8>m^3(STP)・m^<-2>・kPa^<-1>・s^<-1>未満を示し,薄膜かつガスリーク性が低いMEAの構築が可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)