2004 Fiscal Year Annual Research Report
光重合反応による自己組織的ミクロ構造形成のメカニズム解明
Project/Area Number |
16360391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 由岐夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20332570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 建策 株式会社巴川製紙所, 技術研究所, 主席研究員
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Keywords | 光重合 / 自己組織化 / 構造形成 / 架橋反応 / ラマンスペクトル / 顕微ラマン / 光学顕微鏡 / CCDカメラ |
Research Abstract |
モノマーに直線状光源から紫外線を一様照射して重合反応を開始すると、モノマーがゲル化し、ゲル化後のポリマー内部に層構造が自己組織的に形成されることが報告されていた。本年度の研究において、1成分の2官能モノマーと光重合開始剤を使用することによっても同様の構造形成が行われることをまず確認した。さらに解像度の高いCCDカメラを用いることで構造形成の様子をIn-situで観察することで、条件が整った場合には層間隔が一定の層構造が、広い平面範囲において同時に形成されることが観察された。また照射時間を変化させたサンプルのラマンスペクトルを測定することによって二重結合の転化率の時間変化を求めた。この結果から、ゲル化が行われる二重結合の転化率と構造形成が開始する二重結合の転化率を定量することができた。構造形成が開始する二重結合の転化率は約15%であり、モノマーが十分に残存している状態で構造形成が開始していることから、ゲル化したサンプル内に多く残っているモノマーが構造形成に関与していることが示唆された。 また顕微ラマンにより層構造の定量を行った。光学顕微鏡により層構造観察される部分において、二重結合の転化率が劇的に変化し、また転化率が大きい部分は炭素密度が大きく、転化率が小さい部分は炭素密度が小さいことがわかった。この結果から、重合反応が進んで架橋によって密度が大きくなっている領域と、重合反応が比較的進まずに密度が小さくなっている部分が交互に並んで層となっていることが示された。
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Research Products
(1 results)