2004 Fiscal Year Annual Research Report
吸着-触媒システムの非定常操作による新規反応場の創製
Project/Area Number |
16360392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相田 隆司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00262262)
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Keywords | 触媒 / 吸着 / 非定常操作 / 微量物質除去 / マイクロ波加熱 / 擬似移動層反応器 / コンピュータシミュレーション / 酸化反応 |
Research Abstract |
本申請研究では,吸着剤と触媒が共存する系において非定常操作を行い,定常的な操作では得られない新規な反応場を創製することが目的である.特に本申請研究では極低濃度物質の濃縮プロセスと反応プロセスを吸着剤,触媒の共存する系にマイクロ波を照射することによって融合すること,また強吸着物質を濃縮させ擬似移動層反応プロセスを用いて反応速度が非常に大きくなるReaction frontを創製することを試みる. まず,マイクロ波非定常加熱を用いた極低濃度物質の除去については,極低濃度物質としてエチレンおよびアンモニアを取り上げた.エチレンの場合は吸着剤としてゼオライト,触媒としてアルミナ担持白金触媒を用いた.吸着水の存在によってマイクロ波加熱時の昇温に正の効果が見られ,吸着剤層出口においてエチレンが高度に濃縮されることがわかった.同時に吸着剤の後部に設置した触媒も加熱されるので,脱離・濃縮したエチレンのほとんどが反応によって消失することが確認された.一方,アンモニア除去の場合には触媒・吸着剤として酸化銅を用いた.酸化銅は多量のアンモニアを吸着保持すると同時に,マイクロ波を吸収して500℃程度まで昇温された.外部からの加熱と比較して,定常供給時にはアンモニア除去活性についてそれほど差異は認められなかったが,生成物としてNOxの発生が抑えられることがわかった.非定常活性やNOx発生抑制の機構については今後の課題である. また,擬似移動層を用いた極低濃度COの酸化除去については,既存の速度論パラメータを用いて予備的なコンピュータシミュレーションを行ったところ,定常操作時に比べ高い転化率が得られることがわかった.実際の反応実験でも,同様の傾向が見られた.これは,COが固相に運ばれるため,酸素とCOの濃度分布が対称的になる条件を作ることができたためである.水素共存の系については今後の課題である.
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Research Products
(5 results)