2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの合成メカニズムと吸着特性に対する触媒機能の解明
Project/Area Number |
16360397
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 潤児 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (40227905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 正志 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70177822)
松石 清人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (10202318)
鈴木 修吾 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (90241794)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 水素吸蔵 / 燃料電池 / 表面化学 / 走査トンネル顕微鏡 / 電極触媒 / グラファイト / 触媒化学 |
Research Abstract |
i)CNTを用いた燃料電池電極触媒 本年度の第1の成果は、1nm以下のルテニウム触媒微粒子が酸に溶解せず、1ヶ月程度活性を維持することを見出したことである。すなわち、活性炭や欠陥を導入しないCNTに担持したルテニウム触媒は数日の0.1Mの硝酸処理によって溶解するが、欠陥を導入したカーボンナノチューブに担持したルテニウム触媒は1ケ月間の硝酸処理でも溶解せず、触媒活性を維持することがわかった。第2の成果として、CNTに担持したRu-Pt/CNT電極触媒は100 ppm COを含んでも純粋な水素と同程度の電極電流が流れ、著しい耐CO被毒性を持つことを見出した。 ii)カーボンナノチューブによる水素吸蔵 最近、水素を氷の中に貯蔵するという報告がNature誌やScience誌で話題となっているが、我々はCNTビーズ内に氷微粒子を形成させ、その氷微粒子内部に水素分子を貯蔵させる研究を開始した。THF(テトラヒドロフラン)を水に溶解させ氷らせることにより包接物質(クラスレート)を形成させる。水分子からなるかごのなかに水素分子を閉じこめる方式である。実験を開始して間もなく水素吸蔵が確かめられたので直ちに特許化した。現在、水素貯蔵能を高めることや再現性を高めることに注力している。 iii)カーボンナノチューブ合成における触媒機能の解明 これまではメタンの分解によるカーボンナノチューブ合成を行ってきたが、本年度はアセチレンからのCNT合成を試みメタンの場合との比較を試みた。触媒は、これまで用いていたものと同じMoを含んだ触媒であり、Mo/Co/MgO、Mo/Ni/MgO、Mo/Fe/MgO、Co/MgO、Ni/MgOなどである。アセチレンの場合は、触媒上で急速に解離し、炭素原子が生成する。
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Research Products
(7 results)