2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素・酸素からの隔膜反応法による高濃度過酸化水素の直接合成
Project/Area Number |
16360400
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90240051)
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Keywords | 過酸化水素 / 燃料電池 / 電極触媒 / ガス拡散電極 / カーボン電極 / 三相界面 / 水素 / 酸素 |
Research Abstract |
水素/酸素燃料電池反応を利用した隔膜反応法による過酸化水素の一段合成法を開発するために,本反応法を支配する様々な因子を解明し,理論立て,最終的に高活性化することを目標している。本反応法はカソード,アノード,2枚のガス拡散電極を隔膜としても機能させ,この電極間に電解質溶液を満たす特異的な構造を有している。電解質液側と反対の電極面は,酸素ガス(カソード),水素ガス(アノード)に露出しており,高分圧の酸素ガス,水素ガスが高濃度のまま直接反応サイトに供給できることが特微である 平成17年度は電解質に1-2規定の水酸化ナトリウム水溶液,[VGCF(気相成長カーボンファイバー)+XC-72(バルカンカーボンブラック)]ガス拡散電極(カソード),白金/炭素ガス拡散電極(アノード)を用い,それぞれ1気圧の酸素,水素ガスを導入することにより,電極間を短絡するだけで電流効率95%(水素基準選択率)にて選択的かつ連続的に7重量%の過酸化水素水溶液を合成出来た。インピーダンスアナライザーを用いて反応周波数の解析を行った結果,過酸化水素生成反応はカソード反応により律せられ,酸素ガスの供給速度で過酸化水素生成速度が決定されていることが明らかとなった。この結果を踏まえ、カソード反応がより有利に進行するように電極間距離を減少させ検討を行った結果、水酸化ナトリウム電解質水溶液を用いた場合には最大過酸化水素濃度は10重量%に向上した。 酸性電解質溶液を用いた場合についても、過酸化水素合成を試みた。生成16年度以前の予備実験における過酸化水素濃度は1重量%であった。本反応系における各種電極触媒の過酸化水素生成活性を検討した結果、マンガンポルフィリン誘導体/活性炭-電極触媒が過酸化水素生成活性を有することを見出した。この電極触媒を用いることにより、酸性電解質溶液を用いた場合の最大過酸化水素濃度は2.5重量%に向上した。
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Research Products
(3 results)