2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物吸収剤による窒素酸化物及び硫黄酸化物の吸収除去・放出の基礎科学
Project/Area Number |
16360402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江口 浩一 京都大学, 工学研究科, 教授 (00168775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 隆司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40325486)
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Keywords | NO吸収 / NO2吸収 / Pt / TiO2 / 塩基性酸化物 / SO2耐性 / 完全混合層 / 連続槽列モデル / Pt / Li2O / TiO2 |
Research Abstract |
NOx吸収法は含酸素排ガス中の希薄なNOxを効果的に除去できる。比較的低温で反応が進み、酸素共存下においてNOxを吸蔵し、昇温や還元雰囲気下におくことで触媒を再生できるといった特長がある。しかし、排ガスには燃料の硫黄成分に由来するSO_2が存在するため、SO2がNOx吸蔵材と反応して安定な硫酸塩を生成してNOx吸蔵を阻害する。そのため、SO2に耐性があるNOx吸収材を開発することは非常に重要である。そこで本研究では、吸収材の劣化原因であるSO2に対して耐性のある吸収材の開発を目的とした。TiO2,Pt/TiO2はSO2の吸脱着が容易でありSOxに耐性があることが報告されているが6-9)、Pt/TiO2ではNO吸収活性がほとんどないため、塩基性酸化物(MxOy,M=Li,Na,K,Cs,Sr,Ba,La)を添加し、その効果とSO2の影響について調べた。SO2共存下でもNOの可逆的な吸収-放出を行えたPt-Li2O/TiO2について、NOx吸収-放出特性の向上を目指し、接触時間、NOまたはNO2濃度を変えて吸収-放出反応を行うことにより、吸収-放出反応機構を検討した。 本年度の研究の結果得られた成果は以下のとおりである。1)NOxの吸収量はW/Fが大きくするほど大きくなり濃度が高くなるほど大きくなった。2)NOに対し、酸化反応を伴わないNO2の吸収のほうが吸収量が大きくなった。NO2吸収反応では吸収量はW/Fの値に比例した。3)NO2の吸収反応モデルを構築した。NO2の吸収については触媒反応を考慮しない吸着反応速度式で整理できると考えられるため、触媒層を段に分け、完全混合槽が連続した反応器と仮定し、吸収曲線を模擬するモデルを得た。反応器位置x、時刻tにおけるNOx吸収量は、被覆率をθとすると、Vx,t=exp(-1.75θ)Vin(1-θ)-0.0242exp(2.00θ)θで表されることが分かった。
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