2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンバイオケミストリーを目指したファージ表層工学の展開
Project/Area Number |
16360408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹治 保典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (00282848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 肇 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10087471)
宮永 一彦 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (40323810)
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Keywords | バクテリオファージ / 大腸菌 / 表層工学 / キトサナーゼ |
Research Abstract |
T偶数系ファージはそのキャプシド表層にSoc(Small Outer Capsid)タンパク質が840分子存在する。Socはファージの感染・増殖には必須でないことから、外来タンパク質の発現用プラットフォームとして利用できる。T2ファージを用い、ファージゲノムDNA中に外来タンパク質をコードする遺伝子を導入し、Socをプラットフォームとしてタンパク質を発現するキメラファージを作成した。実験は、Socと外来タンパク質を共発現するキメラファージを容易にスクリーニングするシステムを構築し、次いで、モデルタンパク質としてキトサナーゼを用い、本システムの有効性とファージ表層へ発現された酵素の活性を評価した。 大腸菌のβ-galactosidaseをコードする遺伝子をsoc遺伝子群のsoc-1とsoc間に挿入したプラスミドを構築した。形質転換大腸菌にT2ファージを感染させることにより、β-galactosidase発現能を有するキメラファージT2-βを得た。このファージが作るプラークは、寒天培地にβ-galactosidaseの基質であるX-galを添加することにより、ブルーとなる。T2-βファージを同様の方法で他の組換ファージに変換すると、T2-β発現活性を消失することにより、組換ファージの作るプラークは再び透明となる。このシステムの開発により、従来法であるプラークハイブリに比べ迅速に組換ファージを選択することができるようになった。 本システムを用いて、ファージ表層にキトサナーゼを発現するファージ(T2-Chok)を分子構築した。T2-Chokはファージの濃度依存的キトサナーゼ活性を示した。T2-Chokの酵素比活性は6.25×10^<-13>(U/phage)であった。キトサナーゼ遊離酵素の比活性と比較すると、T2-Chokファージは14分子のキトサナーゼに相当する酵素活性を示した。 平成17年度は、キトサナーゼ以外の外来タンパク質をファージ表層に提示し、機能性ファージの分子構築を試みる。
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Research Products
(6 results)