2004 Fiscal Year Annual Research Report
酵母細胞表層への超分子ナノファブリケーション法の開発とバイオプロセスへの展開
Project/Area Number |
16360413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 神戸大学, 工学部, 教授 (40205547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 秀樹 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30263396)
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Keywords | 酵母 / 細胞表層工学 / ドックリン / コヘッシン / セルロソーム / ファブリケーション / バイオマス / セルラーゼ |
Research Abstract |
酵素を細胞表層に提示した酵母を用いての有用物質の生産が広く研究されている。しかしながら、複数種の酵素を各酵素の割合や並び方を制御しながら提示するとともに、提示酵素量をさらに増加させることが、今後の大きな課題である。本研究は、酵母細胞表層というナノレベルの空間に多種、多量の酵素を提示するとともに、その配置制御ができるナノファブリケーション法を開発することで、より複雑な反応でも効率よく行える細胞触媒を確立することを目的とする。そのために、セルロース分解能の高い事で知られる嫌気性微生物などが持つ、バイオマス分解酵素複合体であるセルロソームの酵素提示様式を模倣する。具体的にはセルロソームの骨格タンパク質に存在する酵素サブユニットが結合するためのドメイン(cohesin:コヘシン)、及びそれに特異的に結合する酵素サブユニットのドメイン(dockerin:ドックリン)を用いる。すなわち特異性の異なるコヘシンを連結し、酵母細胞表層結合タンパク質Flolを用いて細胞表層に集積させるとともに、提示すべき酵素を対応するドックリンと融合させて分泌発現させることで、細胞表層で会合させて超分子複合体を形成させる。この手法では、コヘシンの連結順序・数と酵素への対応するドックリンの融合によって、様々なタンパク質の割合と空間的な配置を制御しつつ、多量に酵母細胞表層に提示できると期待される。本年度は、(1)コヘシン・ドックリンを用いたナノレベル配置制御型の発現系の確立、(2)細胞表層でのナノレベル配置制御の評価法の確立と最適化について検討を行った。具体的には、セルロース系のバイオマス資源を効率よく酵母の細胞表層で分解して、それを酵母によりエタノール発酵させる系を取り上げた。すなわち、セルロース分解性に優れた、Tricodelma reeseiやAspergirus acuratausのセルラーゼ群(エンドグルカナーゼ、β一グルコシダーゼ)をドックリンとの融合タンパク質として分泌発現を、Flolを用いたコヘシン複合体表層提示酵母で行うことで、細胞表層でのナノファブリケーションが可能であることを確認した。
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