2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母細胞表層への超分子ナノファブリケーション法の開発とバイオプロセスへの展開
Project/Area Number |
16360413
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 神戸大学, 工学部, 教授 (40205547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 秀樹 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30263396)
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Keywords | 酵母 / 細胞表層工学 / ドックリン / コヘッシン / セルロソーム / ファブリケーション / バイオマス / セルラーゼ |
Research Abstract |
酵素を細胞表層に提示した酵母を用いての有用物質の生産が広く研究されている。しかしながら、複数種の酵素を各酵素の割合や並び方を制御しながら提示するとともに、提示酵素量をさらに増加させることが、今後の大きな課題である。本研究は、酵母細胞表層というナノレベルの空間に多種、多量の酵素を提示するとともに、その配置制御ができるナノファブリケーション法を開発することで、より複雑な反応でも効率よく行える細胞触媒を確立することを目的とした。具体的には、(1)バイオマス分解酵素複合体であるセルロソームの骨格タンパク質コヘシン-ドックリンを用いたナノレベル配置制御型の発現系の確立、(2)細胞表層でのナノレベル配置制御の評価法の確立と最適化、(3)実際の有用系への応用、について検討した。 昨年度は、上記(1)について検討を行い、発現系を確立した。本年度は、(2)の評価法の確立と最適化および(3)の実際系への応用について研究を進めた。(2)については、エンドグルカナーゼ(EG)と、β-グルコシダーゼ(BGL)(糖関連化合物の合成に有用な酵素群)をモデル系として検討した。(3)については、細胞表層にEGとBGLをナノファブリケートした酵母を用いて糖誘導体を簡易に合成することを行った。疎水性の基質を用いて糖鎖を合成する時、セルラーゼのような加水分解酵素を提示した酵母を有機溶媒中で使えば、効率的に糖鎖を合成できる。EGとBGLの連続反応を行うことにより、様々な糖誘導体を官能基の保護、脱保護が必要なく、セルロースなどの原料から安価に合成することが可能であることが明らかとなった。また、リパーゼを細胞表層にナノファブリケートし、集積度を上げて、各種のポリマー合成への応用について検討した結果、良好な合成反応が行えることが明らかとなった。
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