2004 Fiscal Year Annual Research Report
花粉症などのアレルギー疾患に有効な「スーパー抗体酵素」の開発
Project/Area Number |
16360416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
宇田 泰三 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (20232837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一二三 恵美 広島県立大学, 生物資源学部, 助手 (90254606)
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Keywords | IgE / 抗体 / 花粉症 / ペプチダーゼ / プロテアーゼ |
Research Abstract |
「スーパー抗体酵素」とは、抗体として抗原に特異的に結合するだけでなく、抗体そのものが抗原を酵素的に破壊する事ができる画期的な分子を言う。本研究では現在、有効な治療法がなくて困っている多くの自己免疫疾患患者(花粉症やアトピーなど)に的を絞り、この治療を目的とした「スーパー抗体酵素」を作製する事である。今年度は以下の研究を行った。 1,ヒトIgE抗体をBalb/cマウスに免疫し、ポリエチレングリコールを使って細胞融合を行った。 2,AT選択、スクリーニングおよびクローニング操作を繰り返し、ヒトIgEに特異的に反応するモノクローナル抗体産生株を数種類確立した。 3,上記で作製した抗体産生細胞を10^8個まで培養し、mRNAを取り出した後、cDNAに変換し、プラスミドに挿入した後、大腸菌でクローニングし、抗体の遺伝子配列を決定した。 4,この配列からいくつかの抗体についてgermlineを特定した。 5,抗体の遺伝子解析により推定されたアミノ酸配列を使ってUNIX workstation上で分子モデリングにより抗体の3次元構造を構築し、次いで、抗体の構造中に触媒三ツ組残基が存在かどうかを確かめている状況である。 6,触媒三ツ組残基様構造が存在する抗体については、精製抗体を2-mercaptoethanolを使って重鎖、軽鎖に切断し、再結合を防ぐためのiodoacetamide処理を行って、サイズ排除クロマトグラフィーによりこれらの重鎖、軽鎖を完全に分離し、PBS中でrefoldingを行っている。 7,上記で精製分離した抗体軽鎖および重鎖を用いてそれらにペプチダーゼ活性およびプロテアーゼ活性が存在するかを調べている段階である。
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Research Products
(3 results)