2004 Fiscal Year Annual Research Report
水晶振動子微少重量測定法による刺激応答性材料への細胞接着力の定量的評価技術の開発
Project/Area Number |
16360417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金森 敏幸 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター・バイオナノマテリアルチーム, 研究チーム長 (50356797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須丸 公雄 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター・バイオナノマテリアルチーム, 主任研究員 (40344436)
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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Keywords | 水晶振動子微小重力測定法 / 光応答性材料 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / スピロビラン / 細胞接着性 / フロー型チャンバー / 細胞-材料間相互作用 |
Research Abstract |
バイオ産業や医療分野において動物細胞の利用が益々盛んになっているが、動物細胞の多くが足場依存性細胞であり、何らかの固体表面上に接着・増殖して機能を発揮する。我々は、刺激応答性材料表面上に細胞を接着・増殖させ、細胞に特定の機能を発現させた上で、個々の細胞あるいは細胞群をマニピュレーションする技術の開発を精力的に進めている。その中で、光・温度・pHに応答する高分子材料で作製した材料表面において、個々の細胞を光により遠隔的に接着・脱着させることに成功した。 この接着・脱着のメカニズムを解明することは、当該技術の改良・実用化において必要不可欠であるが、従前の細胞-材料間相互作用の評価方法、すなわち、材料上に接着した細胞の形状観察や接着個数の計測では、当該材料上での外部刺激による微妙な細胞接着性変化を定量的に追跡することはできないことが判明し、本研究を提案するに至った。すなわち、水晶振動子上に形成させた刺激応答性材料表面上で細胞を培養し、水晶振動子の振動数を計測する。この振動数は水晶振動子と一定の相互作用で結合している物質の重量と関連付けられるため、細胞-材料間相互作用に変化が生じれば、振動数の変化として定量的に検出できるはずである。 当該測定法を実現させるために、1)水晶振動子上への刺激応答性材料表面構築技術の確立、2)当該水晶振動子上で細胞を培養しつつ、光照射、培地組成の変化、温度制御などの外的刺激を与え、細胞の剥離を水晶振動子微小重量測定法(QCM)により連続的にモニターできるフロー型チャンバーの作製、を行った。その結果、光刺激によって引き起こされる、従来技術では検知できないほど微妙な細胞-材料間相互作用の変化を定量的に計測できることが可能となった。 これら結果について国際学会で2回、国内学会で5回講演し、現在国際誌へ投稿すべく論文を準備中である。
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Research Products
(1 results)