2006 Fiscal Year Annual Research Report
円形断面放電室をもつ微小電力ホールスラスタの開発研究と内部物理過程
Project/Area Number |
16360420
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田原 弘一 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (20207210)
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Keywords | ホールスラスタ / 宇宙推進 / 電気推進 / プラズマ / 推進性能 / 小型衛星 / 低電力 |
Research Abstract |
宇宙用推進機として期待されているホール型推進機の低電力化を目指して円筒断面推進機の作動特性を調べた。 ホール型推進機において放電電流振動、特に数10kHzの低周波振動は推進効率の低下、耐久性の低下などを引き起こすと言われている。長時間の連続作動が要求される宇宙機への搭載を考える際には、この放電電流振動の抑制が必要となる。円形断面放電室をもつホール型推進機の放電電流振動については放電電圧等の作動パラメータを変化させた場合の放電電流振動の挙動に関する詳細な研究は行われていない。本研究では円形断面放電室をもつホール型推進機を用いて推進剤流量、放電電圧、磁束密度を変化させた場合の放電電流振動の挙動について調べた。 実験には寸法の異なる大小二つの円形断面放電室をもつホール型推進機TCHT-2及びTCHT-3を用いた。TCHT-3の放電室口径はTCHT-2の半分の14mmである。いずれの推進機も放電室壁に窒化ホウ素焼結体(BN)が用いられている。放電電流はカレントプローブによって測定した。 得られた結果を以下に示す。 (1)円形断面放電室をもつホール型推進機において数10kHzの放電電流振動が生じることがわかった。推進剤流量の減少及び放電電圧の増加とともに放電電流振動の強度は増大し、この傾向は大小2っの推進機に共通する性質であった。 (2)大振幅の放電電流振動の主要な要因は拡張されたPredetor-Preyモデルの解析から中性粒子の電離領域への供給とイオンの噴出速度の差及び中性粒子とイオン数密度の勾配によるものと推察された。
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Research Products
(5 results)