2004 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙構造物の圧電素子を用いたエネルギ回生準能動的制振手法の研究
Project/Area Number |
16360429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
小野田 淳次郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 教授 (20013740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯杉 賢治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (90239327)
竹内 伸介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 助手 (20353419)
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Keywords | 圧電素子 / 準能動的制振 / エネルギ回生 |
Research Abstract |
圧電素子を用いたエネルギ回生準能動的制振手法に関する以下の研究に取り組み、成果を挙げた。 1.バンバン型能動制御にエネルギ回生概念を取り入れたハイブリッド制振手法を提案した。このハイブリッド制振手法では、能動制御として外部から与えられたエネルギを消費・散逸するのではなく、その外部エネルギも回生し繰り返し用いる。その結果、ハイブリッド制振の制振効果はエネルギ回生準能動的制振手法の制振効果よりも格段に高い。更に、バンバン型能動制御と比較した場合、格段に少ないエネルギで同等の性能を持つ制振が可能である。また、バンバン能動制御と同等の性能を持つハイブリッド制御では、バンバン能動制御に比べ外部エネルギの注入が少ないので、制御器にモデル誤差があっても不安定に成り難い。提案したハイブリッド制振手法の上記の長所を実験及び数値計算により実証した。 2.エネルギ回生型準能動的制振において生じるチャタリングを防止する制御則を提案した。このチャタリングは構造物の振動を励起する可能性があるので、その解決が望まれていた。非線形性や閾値を意図的に設ける従来の防止手法とは全く異なり、振動エネルギと電気エネルギのエネルギ交換に着目した。圧電トランスデューサに蓄えられた電気エネルギの構造物への逆流を未然に防ぐ概念に基づいて、チャタリング防止制御則を考案した。ランダム加振されて生じた複雑な振動を制振する実験において、本防止制御則を適用する事でチャタリングが防止され、その有効性が確認された。 3.従来のセルフセンシング制振で慣習的に用いていたブリッジ回路を必要としない、新しいセルフセンシング制振手法を提案した。拡大系システム方程式とカルマンフィルタを用いた制振手法であるので、多入力多出力系に適用できる。また、不安定状態に陥りやすいブリッジ回路を用いる従来手法と比較して、本手法はモデル誤差に対する強固なロバスト性を有する。トラス構造物を用いた実験と数値計算を通して、提案するセルフセンシング手法の有効性を確認した。
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Research Products
(3 results)